ステーション エフ/PARIS_FRANCE
──世界からも注目が集まるパリのイノベーション震源地
フランスをAI立国に─2018年3月、フランス大統領エマニュエル・マクロンはそう宣言した。同政権下でフランスは、主にテクノロジー分野におけるスタートアップ育成に注力している。それを象徴するのが、17年6月にオープンしたStation Fだ。
広さは約34000平方メートル、最大収容人数は約9000人を誇る。現在1000以上のスタートアップと、20以上のVC、フェイスブックやマイクロソフトなどの大企業が入居。事業領域に応じたアクセラレーションプログラムが設けられ、メンタリングや企業間の交流などが日々行われている。
ニューラボ/NEW YORK_UNITED STATES
──ニューヨークから始まるハードウェア革命
アメリカ国内で、シリコンバレーに次ぐ巨大なスタートアップエコシステムを有するニューヨーク。テクノロジー系のソフトウェア企業が密集するこの土地には珍しく、NewLabはハードウェアを支援しているインキュベーション施設だ。
入居している企業の事業領域は、宇宙探査や先端医療など多岐にわたり、3Dプリンターや溶接機など、ものづくりに特化した設備が整う。最大500人が収容可能な大きな施設ながら、入居を許されるのは応募の約2割。「ニューヨークのハードウェア系テクノロジー分野を強化したい」という創業者の強い想いからだ。
スコルコボ イノベーションセンター/MOSCOW_RUSSIA
──大草原から始まるロシアンテックの逆襲
2010年、ロシアはモスクワ郊外で大規模なイノベーションシティ開発に着手した。ただの広大な草原だった土地に、現在はMITと共同で作られた大学や最先端医療を研究する病院がある。その中心にあるのがスコルコボイノベーションセンターである。研究費や資金調達時のグラントが国から支給されるなど、手厚い支援も揃う。
ケンブリッジ イノベーション センター/BOSTON_UNITED STATES
──企業、政府、投資家をつなぐイノベーション都市の中核
ケンブリッジイノベーションセンターは、スタートアップと大企業、政府機関、投資家などをつなぐ「イノベーションハブ」と呼ぶにふさわしい場所だ。周辺にはMIT、ハーバード大学など世界屈指の大学も存在し、姉妹組織「ベンチャーカフェ」では、イベント開催を通じコミュニティ醸成にも注力する。
アイハブ/NAIROBI_KENYA
──多様な人々が混じり合うインキュベーションオフィス
首都ナイロビにあるiHubは、ケニアのイノベーション拠点の一つとして重要な役割を担う。スタートアップはもちろんのこと、諸外国のVCや投資家も入居。グーグルやオラクルなど大手企業とパートナーシップを結び、アクセラレーションプログラムも実施するなど様々な人々がクロスしイノベーションの種を育てている。
テンセント ウィースタート/SHENZHEN_CHINA
──「衆創空間」ブームの中国世界のイノベーション創出工場
起業家育成に邁進する中国。いま、研究開発環境、起業支援、投資機会などを備えた「衆創空間」の設立がブームになっている。テンセントが運営する「騰訊衆創空間」は中国各地に30カ所以上。ロボティクス、VRなど最新のテクノロジーと教育・投資環境を備え、起業家を生むエコシステムが構築されている。
(c) photograph by Dream Spaces Architectural Photography (iHub), COUTESY OF ADDLIGHT INC. (Tencent WeStart)