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Nicoleta Ionescu / Shutterstock.com

食習慣でも運動でも何でも、日ごろの行動を変えるのは難しい。それは私たちの誰もが知っている。だが、意外にも単純な方法で、すぐに行動を変えられる場合もある。

米国のSociety for the Study of Ingestive Behavior(食行動研究学会)に発表された脳画像の分析に基づく新たな研究結果によれば、健康的な食事量を維持するための“方法”と言えそうな行動が明らかになった。

研究チームはまず、食行動に関するコントロール実験を行った。標準から肥満まで体重の異なる参加者たちを3つのグループに分け、ランチに食べるものを決める際、それぞれに次のことを考えてもらった。

1. 食事が健康に及ぼす影響
2. 食べることで得られる喜び
3. 夕食まで空腹にならずに済むか

また、これらとは別のコントロールグループに分類した人たちには、特に何も指示せず食べたいものを好きなように選んでもらった。

ポイントは意識の習慣化

調査の結果、いずれのグループもコントロールグループと比較した場合、「食事が健康に及ぼす影響」を意識したときには体重にかかわらず、ほぼ全員の食事量が少なくなっていた。一方、「食べることの楽しさ」を意識するよう指示を受けたグループでは、肥満の人たちの食事量が多くなった。「夕食まで空腹にならずに済むか」を意識したグループは、体重にかかわらずほぼ全員が、コントロールグループより多くの量を食べようとした。

さらに、参加者らの脳画像を撮影して調べたところ、肥満の人の「味覚に関連する脳領域」は、食べる楽しみを意識した場合に最も活性化していた。また、肥満の人たちが夕食まで空腹にならないことを考えた場合には、「報酬系と生理的調節を司る領域」の反応が鈍くなっていた。

つまり、健康への影響を意識した場合には体形にかかわらずほぼ全ての人たちが簡単に、適切な量を選ぶことができたと考えられる。一方、食べる楽しみに意識を向けることは、肥満の人たちの“健康的な選択”にはマイナスになるとみられる。食べることで得られる喜びについて考えることは、必ずしも悪いことではない。だが、少なくともそれは、食べ過ぎを防ぐために役立つ思考ではないということを覚えておくべきだろう。

昼に食べすぎないようにすることに関して最悪といえるのは、夕食まで空腹にならずに済むかどうかを考えることだと言える。「今もっと食べておこう」と考える直接的な動機となってしまうためだ。脳画像の調査から、肥満の人は特にこの考えに影響されることが確認されている。

ランチに何をどれだけ食べようか考えるときには、あくまでもランチのことを考えるべきだ。オフィスのデスクの引き出しに間食用の健康的なスナックを用意しておけば、夕食までに空腹に耐える心配はしなくて済む。

この研究で明らかになった最も明白かつ重要なことは、食事が健康に及ぼす影響について考えることが、食べ過ぎ防止に効果的だということだ。これは、習慣化する価値のある考え方だ。

編集=木内涼子

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