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I write about health care and policies from the president's hometown

(Photo by Adam Berry/Getty Images)

インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムは先ごろ、米オンライン薬局のピルパックを買収すると発表した。投資家らはこの計画に非常に高い関心を示しているが、アマゾンが処方薬の販売事業で競争していくためには、ほかにも必要なことがある。

米ドラッグストア大手のCVSヘルス(CVS Health)やウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(Walgreens Boots Alliance)、小売最大手のウォルマートに追いつくためにアマゾンに必要なのは、さらなるM&A(買収・合併)だ。

事業環境は厳しい

医療保険に加入している米国人の大半は、保険会社が指定する店舗や購入方法で処方薬を入手する。そして、ピルパックは複数の保険会社に加え、高齢者向け公的医療保険(メディケア)の処方箋薬剤給付保険(メディケア・パートD)の処方薬販売ネットワークに加わっている。

だが、米国の医療制度は現在、全国民の健康を重視するモデル、「量より価値」に基づくモデルへと移行しようとしており、処方薬の給付に関する全米規模での事業には一層、雇用主や医療提供者との強力な関係が求められるようになっている。

CVSとウォルグリーン、ウォルマートは保険会社との関係を強化し、加入者(顧客)の囲い込みに力を入れている。また、CVSとウォルグリーンは患者の健康状態の改善における成果の向上において役割を果たそうとすると同時に、雇用主や公的医療保険側のコスト削減にも力を入れている。

ウォルグリーンのステファノ・ペシナ最高経営責任者(CEO)によれば、薬局の仕事は特定の薬やサービスを提供することにとどまらない。「はるかに複雑なものだ」という。

CVSヘルスのジョン・ロバーツ最高執行責任者(COO)は、「医薬品の価格が徐々に上昇していること、医療が重視するものが量から価値へと変わっていることが私たちに求めるのは、顧客が薬代を管理しつつ、健康状態を改善できるようにするための革新的なソリューションを常に提供していくことだ」と語っている。

アマゾンはどう考える?

アマゾンのピルパック買収に沸き立つアナリストたちの間にも、同社が処方薬の流通・販売事業を拡大していくためには、保険会社か薬剤給付管理(PBM)事業者を買収する必要だろうとの見方がある。

一方、米金融サービス会社ウィリアム・ブレアのアナリストによれば、投資家らはアマゾンが処方薬の販売に深く関与していくことを期待しているが、同社が新たな買収を検討する可能性は「ないとは言えないものの、優先順位は低いとみられる」という。

ピルパックの昨年の売上高は約1億ドル(約110億円)。それに対し、ウォルグリーンの売上高は、今年3~5月期(第3四半期)だけでも343億ドル(前年比14%増)だ。さらに、薬価の引き下げを実現するため、製薬会社から処方薬を購入する保険会社とPBM、薬局にはそれぞれ、メーカーへの影響力を発揮すべきとの圧力が強まっている。

前出のアナリストは、処方薬の販売は「利幅が小さく、そして競争が激しい市場だ」と指摘するとともに、次のように述べている。

「PBM事業への参入は、プライムなどを通じた消費者向けのブランド戦略やバンドリング戦略として魅力的だろう。だが、薬局に対する規制はより厳格だ。そのためこの分野での事業拡大においては、さらなる企業買収が必要になると考えられる」

編集=木内涼子

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