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2018.06.30

2億年前の化石から見つかった「世界中のトカゲたちの母親」

swagataphotographer / Shutterstock.com

2億4000万年前の化石が、現在のトカゲやヘビの祖先である「全てのトカゲの母」のものだと判明した。

「メガキレラ(Megachirella wachtleri)」と名づけられたこのトカゲの母は、カメレオンと同じぐらいの小さな生き物だ。メガキレラは最古の有鱗類(ゆうりんもく)であり、地球にはトカゲやヘビの仲間が約2億5000万年の間、存在していることを示している。

「この化石は、これまで世界最古のトカゲと言われてきたものよりも7500万年も古い」と、科学誌「ネイチャー」に掲載された論文の筆頭著者でアルバータ大学生物学部の博士課程で研究中のティアゴ・シモエス(Tiago Simões)は述べた。さらに「これは有鱗類の進化を知るうえで貴重な情報源となる」としている。

化石は20年前にイタリアのアルプスで発見されたもので、有鱗類に関係していることは分かっていたものの、その後の分析で最古の有鱗類の化石であることが判明した。

研究チームは4年をかけて、世界中の130種類以上のトカゲやヘビたちの爬虫類データベースを作り上げた。このデータベースは過去最大規模で、現在は生息していない化石から発見された種類も含んでいた。そして、CTスキャンや写真、分子解析を駆使してメガキレラが最古のトカゲであることを突き止めたたという。

「化石だけが古代を正確に教えてくれる」と、論文の共著者でアルバータ大学の古生物学者マイケル・コールドウェル(Michael Caldwell)は述べた。「メガキレラに関する発見で分かるのは古代のある1つの時点だが、現生するトカゲやヘビからは分からないトカゲの進化についても教えてくれる」

現代の有隣類にはトカゲとヘビ、そして約180種類の足のない爬虫類であるミミズトカゲなどがいる。有隣類は鳥類と並んで最も多様な四肢動物で、少なくとも今から約2億年前のジュラ紀には生息していたとされる。

編集=上田裕資

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