コーチング
コーチングの大半は、自己認識やコミュニケーション、EQなどのソフトスキルを向上させるためのものだ。多くの大企業が頻繁にコーチングを活用しているが、その手法や方法、そして特にそれぞれのコーチの間には大きな差がある。
異なる開発方法の結果をまとめ、さまざまな要素の影響を調べた詳細な調査によると、コーチングは個人のキャリアの成功に大きな効果があり、パフォーマンスに対しては中から大程度の効果があることが分かった。
コーチングを通してフィードバックを得れば、自分に足りないものや改善すべき分野に気づける。実は、自分が持っていると考えているソフトスキルと実際に持っているソフトスキルは、10%ほどしか一致していないため、この点はとても重要だ。実際には、スキルがない人ほど自覚が弱く、改善の大きな障壁となっている。
トレーニング
焦点を絞ったトレーニングでソフトスキルを改善できることを示す証拠は多くある。トレーニングではコミュニケーションや対立管理、チーム構築など幅広いソフトスキルが対象となる。例えば、人気分野の一つである営業トレーニングは、営業成績やエンゲージメント、対顧客関係を向上させることが分かっているし、チームワークと協働のトレーニングも効果が確認されている。
また、苦しむ人を写した動画を見せることで、共感力と同情心を効果的に訓練する取り組みも行われている。共感力が上がれば、非倫理的・非生産的な行動をすることも減るため、こうした行動で年間何十億ドルも失っている企業は過小評価できない。
リーダーシップ開発
人材・組織改善に取り組むコーポレート・リサーチ・フォーラム(Corporate Research Forum)が最近発表した報告書によると、企業の学習戦略で最も懸念・投資されている分野は未来のリーダー育成で、65%の大企業が優先事項としていた。
リーダー育成活動の成否を左右する多くの要素はリーダー自身、特にリーダーのソフトスキルに関するものだ。好奇心旺盛なリーダーはフィードバックに注意を払うため、どこを改善すべきなのか理解しようと他者の意見を聞くことに注力するだろうし、EQの高いリーダーは自己認識を高めるためフィードバックを活用する可能性が高い。
自己啓発計画を実践し、自分の元々の性質に逆らってでも自分の悪習を効果的な行動で置き換え、高いパフォーマンスを達成するには、高い志と謙虚さが必要だ。この両方を持ち合わせているリーダーは少ない。
ソフトスキル向上の取り組みは、少なくとも半分は達成できているようだ。しかし、ソフトスキルのコーチング・トレーニング・開発には、その必要性が最も少ない人々に効果を発揮する可能性の方が高いという、雪だるま式効果もある。