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家入流「ゆるふわ経営論」

Natee Meepian / shutterstock.com

第4回となるこの連載。今回は経営論らしく、M&Aについて書きたいと思います。

僕が経営をしているCAMPFIREでは、4月2日に地域特化型のクラウドファンディング「FAAVO」事業を譲り受けました。

「FAAVO」は、日本の各地域の現地パートナーと共に、クラウドファンディングで小さな声を上げようとする方々のサポートや後押しをしたり、自治体や地方金融機関と提携し、クラウドファンディングと共に地域の経済圏を築くお手伝いをしたりと、「地域のために出来ること」をとにかく追求してきたサービスです。

なかでも「FAAVO宮﨑」では、2017年の年間資金調達額が3000万円強という、大きな結果を残しています。日南市に移住した若者が、林業再生のために始めた国産杉の工芸品プロジェクトは、目標金額を100万円も上回る325万円を集めました。

「FAAVO」は僕たちCAMPFIREと同じクラウドファンディングプラットフォームを提供する、言わば"競合"です。でも僕たちは今回、同じ船に乗ることになりました。いわゆるM&A、合併(Merger)と買収(Acquisition)です。

M&Aと一言で言ってもいろんなタイプがあって、ユーザーやシステム、サービスにまつわる資産だけが欲しい、単純な「事業買収」や、その会社にいる優秀な経営陣やスタッフを吸収することを目的とした「タレントバイ(アクイハイヤー)」、ほかにも敵対的買収や、立ち行かなくなった会社を助ける救済措置としての買収などもあったりします。

今回の「FAAVO」に関していうと、事業はもちろん、経営陣やスタッフも全てCAMPFIREの仲間に入ります。サービスだけ、とか、スタッフだけ、という部分的なものではありません。その理由は、「なぜFAAVOをやるのか」という思いが、CAMPFIREのそれと共通していたからです。目指す世界や方向性は一緒なのですから、お互いの得意分野やリソースが掛け算で増幅すれば、より大きなシナジーが生まれる。

例えば、すでに「FAAVO」は、クラウドファンディングを使ったふるさと納税の仕組みを実現させていました。これを『CAMPFIRE』のユーザーにも展開できれば、地域が持つ課題に対して効果を最大化できます。

今回のお話は、僕の方から熱烈なラブコールをしたことから始まりました。お互いの持つビジョンが近かったこともあり、決定まではスピーディに進みましたが、トップ同士がテーブルで話を進めても、実際に日々お客さんと向きあい、運営や改善を頑張っているのは現場のスタッフたちです。

事業を引き受けてハイ終わり、ではなく、むしろそこからが重要なのです。今までやってきた方々と一緒に、これからもやっていくわけですから。なので、「FAAVO」のスタッフ、そして「CAMPFIRE」のスタッフたちのことを第一に考えました。

これには、僕自身の体験が大きく影響しています。20代前半で福岡の片田舎で創業したpaperboy&co.(現・GMOペパボ)が、25歳の時に株式の半分を譲渡する形で、GMOインターネットのグループ入りをしました。

ペパボは「ロリポップ」「カラーミーショップ」などの個人向け格安レンタルサーバーやショッピングカートシステムなどを提供していて、初月から順調に売り上げも利益も伸び続けている会社でしたが、もっと大きな勝負をするために、すでに法人向けのホスティングなどで成功している、東証一部上場企業であるGMOグループに入ることを決めました。

文=家入一真

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