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I write about innovation trends in global hotspots.

vectorsector / Shutterstock.com

中国のテクノロジー企業はこのところ米国での知名度を伸ばしている一方で、米国市場からはほとんど売上をあげず、本国や東南アジア市場に力を入れている。

例えばバイドゥの海外売上はわずか1%、アリババの場合は11%。テンセントは5%に過ぎないのが現状だ。それに対しグーグルの海外売上は53%、アマゾンは32%、フェイスブックは56%となっている。

BATと総称されるバイドゥ、アリババ、テンセントらは文化的ギャップや言語の問題、米国政府が示すセキュリティ上の懸念により米国から利益をあげられていない。テンセントのメッセージアプリ「WeChat」の米国での利用者は、中国人留学生や旅行者が大半を占めている。

また、バイドゥは昨年末からスマートスピーカーの販売を開始したが、対象とする市場は中国本国のほか、日本などのアジア諸国になっている。バイドゥのスマートホーム製品は米国の広々とした家庭ではなく、東京や香港などの小さな家庭向けに最適化されている。

一方でアリババ傘下の「アリペイ」は、米国の決済会社「マネーグラム」を買収しようとしたが、米国政府はセキュリティ上の懸念を示し、これを承認しなかった。その後、アリペイは米国人向けの決済サービスを諦め、旅行者や米国在住の留学生向けのサービスを強化しようとしている。

アリババはまた、米国の小規模企業らの中国人向けEコマース事業を活性化させようとしている。

一方で、中国のテック企業は米国のテクノロジー企業の買収を活性化させている。過去5年で中国の3大テック企業の米国企業の買収件数は95件に達し、累計の買収額は276億ドル(約3兆円)に達している。

この流れをリードするのがテンセントだ。テンセントは2017年12月、日本のソフトバンクらとともに、ウーバーの株式の一部を企業価値480億ドルで買収し、テスラの発行株式の5%も買い取った。

テンセントはまた、2016年には米国の映画会社「STXエンタテインメント」の企業価値を15億ドルと評価し、出資を行った。同社はまた、ロサンゼルス本拠のゲーム会社「Riot Games」を2015年に完全子会社化している。

アリババもまた米国に莫大な出資を行っている。同社は2016年に米国のAR企業「Magic Leap」に約8億ドルを出資したほか、滴滴出行(Didi Chuxing)や日本の楽天らととともに配車サービスの「リフト」にも出資を行った。

同社はまたアプリ企業の「Peel Technologies」やゲーム企業の「Kabam」、メッセージアプリの「Tango.me」など、数多くの米国のテクノロジー企業に出資を行っている。

さらに、ウーバーの初期の出資元として知られるバイドゥも、近年では自動運転関連の企業への出資を増大させている。

米国企業に旺盛な投資意欲を見せる中国企業らは、米国からは利益をあげられないものの、東南アジア諸国等を有望な海外市場と見据え、イノベーションを加速させているのが現状だ。

編集=上田裕資

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