一流大学20校に合格、米スーパー高校生が書いたエッセー全文

マイケル・ブラウン(Courtesy:Micheal Brown)


血の滴るレアステーキに害された気分をぬぐえないまま、今夜のメニューにはどんな政治的議論の分野が載っているのだろう、と考えをめぐらせた。どんな話題になろうと、偽りのない対話や、自由な意見交換をする準備は万端だった。

ステーキを食べつつ、ブルバさんはさまざまな政治問題について私の考えを尋ねた。私は「標準的」なリベラル派の立場についての個人的な考えに基づいてその質問に答えていった。すると、ブルバさんが自分の意見に賛同する度に、私は驚きを覚えた。共和党支持者を自認する人が、人工妊娠中絶やマリフアナに賛同するなどとは、考えたこともなかったのだ。

ブルバさんの姿勢は、私が平均的な保守派に対して抱いていた思い込みやステレオタイプの多くに疑念を投げかけた。ブルバさんは、自分の政治に関する全体的な考え方は、子ども時代の経験に基づいていると説明した。農場で育ったブルバさんは両親から、人生の全てにおいて懸命に努力することが絶対的に必要だ、と言い聞かされていた。つつましい子ども時代を過ごしたブルバさんにとっては、経済問題に関する保守的な見方を維持することの方が大事であり、自身が政治的に左派寄りの意見を持っている社会問題に対しては、自分の個人的政治資本を集中させていなかった。

「共和党支持者」と「民主党支持者」は、意見を分類し単純化するために使われるレッテルだ。私は2008年の大統領選により自分を「民主党支持者」としてレッテル貼りしたが、今では自分が保守的な価値観も持っていることに気が付いた。さらに、たとえ賛成できない価値観があっても、自分とは相反するものの見方の論理的・感情的な根拠を尊重し、理解できるようになった。

3億2300万人の米国人全員が、すべての問題に対して完全に合意できることなどありえないだろうが、それでも私たちは協力し合わなければいけない。私はレアステーキを食べながら、ブルバさんと礼儀正しく議論した。そうやって、皆が食卓を囲めば、政治的所属と生活で直面する現実との間の交差点を見出せるかもしれない。人間性は、政治的アイデンティティーに勝る。なぜなら、私たちのアイデンティティーとは、それぞれの人生経験、コミュニティー、そして交流の蓄積を反映するものだからだ。

編集=遠藤宗生

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