ビジネス

2018.04.23

ジェフ・ベゾスが「20回目の株主書簡」で語った変わらぬ決意

Photo by Tasos Katopodis/FilmMagic

4月18日、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは株主向けの年次書簡で、プライム会員数が世界で1億人を突破したことを発表した。これを受けてアマゾンの株価は上昇し、ベゾスの資産額も大幅に伸びた。

フォーブスの「リアルタイム・ビリオネア・ランキング」のデータによると、世界トップの富豪であるベゾスの資産額は先週、77億ドルの上昇を記録。20日の米国株式市場の取引終了時で、彼の資産額は1262億ドル(13.6兆円)に達した。

ベゾスはアマゾンの発行株式の16%を保有しており、彼の資産の95%をアマゾン株が占めている。アマゾンの株価は先週、5.7%の上昇を遂げた。

アマゾンプライムの新規加入者数は2017年に、過去最高を記録したという。また、プライム会員向けに発送されたアイテム数は年間50億個を突破した。スマートスピーカー「エコー」の販売台数も数千万台に達し、デバイスの売上も過去最高を記録したという。

書簡でベゾスは今後のアマゾンの成長について自信をのぞかせた。

「アマゾンの成長を支えているのは創業当初に決めた、現状に満足しないポリシーだ。顧客たちのより良い体験を求める欲望には終わりがない。昨日の驚きはあっという間に普通のことになってしまう」とベゾスは書簡の冒頭に書き、アマゾンが過去8年にわたり「米国顧客満足度指数」のナンバーワンの地位を守ったことにふれた。

「どうやったら常に顧客の要望の一歩先を行くサービスが実現できるか。そこにはシンプルな答はないだろう。しかし、あらゆる分野できめ細やかな努力を重ね、高い水準を保ち続けることが最善の手段だ」とベゾスは述べた。

アマゾンの創業は1994年。ベゾスはニューヨークのヘッジファンドを辞めた後、自宅のガレージで書籍を扱うEコマースサイトを始動した。1997年の上場当初のアマゾンの株価は18ドルだった。

その翌年、ベゾスはフォーブスの「米国の富豪400リスト」の仲間入りを果たし、書籍以外の分野に事業を広げていった。

昨年は食品スーパー「ホールフーズ」を傘下に収めたアマゾンの株価は現在、1500ドル以上に達し、IPO当初から約8000%の上昇を遂げた。アマゾンは昨年、1770億ドル(約19兆円)の売上を記録した。

ベゾスは今年3月発表のフォーブスの「世界の富豪ランキング」で、ビル・ゲイツを破り、彼としては史上初の首位に輝いた。

「今期の年次株主向け書簡は、上場以来20回目の記念すべきものとなった。アマゾンのコアバリューとアプローチは創業当初と変わらない。我々は地球上で最も顧客を中心に考える企業であり、それを実現するのは決して容易な事ではないことを知っている」とベゾスは書いた。

アマゾンの挑戦が成功を収めていることは、株式市場の反応を見れば明らかだ。

編集=上田裕資

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