これは、数年前から世界的に見られる傾向だ。世界の主要企業およそ4000社を顧客に持つ英調査会社グローバルデータによると、肉を食べない、または消費量を減らしている人は、世界人口の70%に上ると見られるという。
同社のアナリストは、「こうした変化は主に、ミレニアル世代によってけん引されている。この世代の多くは食品の購入に関する意思決定において、供給源や動物福祉の問題、環境影響についてよく考えている」と説明する。
ただ、こうした変化はこの世代だけに見られるものではない。また、各界のセレブリティやアスリートたち、グーグルなどの企業や中国などの国々も、より多くの植物ベースの食品を取ることを支持している。
代替肉やフレキシタリアンが登場
増加する「フレキシタリアン」(基本はベジタリアンだが、場合によって肉や魚も食べる「柔軟な菜食主義者」)から、恩恵を被っている企業もある。例えば、英国を拠点にキノコを原料としたハンバーガーやソーセージなどを製造するクォーン(Quorn)の売上高は昨年、「ミートフリー」の食事を習慣とする人が急増したことにより、大幅に増加したと見られている。昨年上半期の売上高は、前年比19%増となった。
グローバルデータによれば、米国ではビーガン(完全菜食主義者)として生活する人が過去3年の間に600%増加した。食品・農産品関連のサービスを世界的に提供する米カーギルが次のように述べていることが、こうした変化の理由をよく説明していると言えるだろう。
「消費者は地球を守るため、そして動物が思いやりある扱いを受けるようになることを保証するための選択をしている。彼らは自分たちが取るタンパク源の供給元を知りたい、自分が食べるものについて肯定的な気持ちでありたいと考えている」
小売最大手のウォルマートもサプライヤーに対し、植物ベースの製品を増やすことを求めている。