ある専門家は、まず最低3つの専門領域のスキルを身につけ、それぞれの原則を組み合わせ自由自在に応用できるようになることがエキスパート・ゼネラリストへの近道だと唱えています。
・メインスキル:主に長年のキャリア・学問分野を軸にしたハードスキル
・第2スキル:マネジメント力など、主にソフトスキル
・第3スキル:世界を見るビジョン。幼少期の経験などからくるその人ならではの考えや興味対象
例えば私の場合は、以下の3つの領域を組み合わせて、将来的にはエキスパート・ゼネラリストとして、日本の女性エンパワメントや教育改革に貢献したいと考えています。
・メインスキル:現在習得中のデータサイエンスのスキル
・第2スキル:これまで大企業勤務で培ったマネジメントスキル(営業・経営管理)
・第3スキル:問題解決したい教育分野や女性エンパワメントの見識を広げ根深い問題を特定すること
この3つのスキルをクリエイティブに組み合わせることで、専門家とは異なるスタンスに立つことができ(道のりは長いですが)、分野横断ならではの付加価値を生みだしながら全体の問題解決に貢献したいと考えています。
大学院でなぜ“幅広い分野”を学ぶのか
私の在学するミネルバ大学大学院では、分野の異なる幅広いトピックの中でデータ分析、意思決定方法を学び、生徒にエキスパート・ゼネラリストの素養を養う機会を提供しています。
データサイエンスのアルゴリズムや原則を主な軸とし、経済制裁の有効性、行動経済学、犯罪学など複雑なグローバル問題やジレンマを扱い、ある学問の原則を、他の学問に応用しながら未知な課題に対し新たに解決策を見出していく力を養っています。
「大学院に行ってまで、なぜわざわざ専門分野に絞らず、幅広い学問を学ぶのか?」と聞かれることもありますが、個人的には、約10年間ビジネスの経験をし、30歳を越えてあらためて幅広い視点をもつことが今このタイミングで重要だと考えています。
大人になってからでも決して遅いことはないですし、新たな第2スキル、第3スキルを創り上げ、さらに幅を広げ、”クリエイティビティの引き出し”を増やしていくことには大きな意味があります。そしてこの引き出しは、将来にわたりアップデートされたり深みを出したりしていくことで、その人ならではの味に仕上がり、個性を光らせるものになってくれることでしょう。