内定取り消しを恐れて交渉を我慢、求職者が払う代償は

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以下は読者のコールから寄せられた便りと、私からの回答だ。


私は4か月の転職活動の末、つい最近内定をもらいました。内定を承諾する前に、提示された条件を交渉したいです。自分には、より高い基本給と役職をもらう価値があると思います。

低い役職で新たな役割に就いてしまうと、なかなか成功できないのではないかと思います。役職が最も重要だと考えているからではなく、これまではるかに高い役職に就いていたので、低い役職を受け入れてしまうと私の信頼性に傷がつくからです。

この会社には知人が数人いるので、なぜ私が今、降格を受け入れているのかと不思議に思われるかもしれません。私がオファーされたものと同じ責務を持つ従業員の大半は、私が提示されたものよりも高い役職に就いています。とはいえ、交渉しようとしたら内定取り消しになるのでは、という不安もあります。

4か月の失業期間はそれほど長くはないですが、実際ははるかに長く感じます。交渉しようとしたら採用責任者のクリスティアンが否定的な反応を見せ内定を取り消されるなど、あまり悲観的な予想はしたくありませんが、その可能性は必ずあるので絶対に大丈夫とは思いたくありません。どうすれば良いか確信が持てずにいます。

希望通りの条件を得る資格が自分にはあると思いますが、4か月の失職後にようやくもらった内定を水の泡にしたくありません。私はどうすれば良いでしょうか?


コールへ

仕事のない状態で就職活動をしていると、4か月は長い時間に感じられる。無難な道を選び、交渉せずに内定を受けたとしても、誰もあなたを責められない。

それでも問題は「この内定を承諾したら誰かから責められるか」ではなく「交渉するのが怖いという理由でこの内定を受けたら、私は自分のことをどう思うか」だ。ぺこぺこしてこびへつらえば仕事がもらえるのであれば、私はそう人々に指導するだろう。従順な人間を演じるのが効果的であれば、そのやり方を伝授しても良い。しかし実際はそうではない。

大半の求職者が従順な人間を演じてしまうが、実はそれは求職者のためにならない。力をつけ、自分が得るべきものを得てキャリアで成功を収めたければ、誰しも最終的には自分のために立ち上がらなければならない。
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翻訳・編集=出田静

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