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ジム・ロジャーズが、「有望」と見る意外な国、北朝鮮。実は、日本のメディアがまったく報じない「バス会社の勃興」という事態が起きていた!

(中略)
 都内に住む在日朝鮮人の男性は6年前、平壌近郊に住む従姉妹から久しぶりに連絡があった。「『日本製の中古ピアノを買うので20万円だけ送ってほしい』とのことでした。音大卒の従姉妹は団地でピアノ教室を開いていて、近所の少女たちが月謝を払って通ってくるという。しかし停電が多く、『中国製の中古電子ピアノでは具合が悪い。これからは商売をして食べていくから、今回だけ助けて』とのことでした。ほんの10年前に大量の餓死者が出た国でピアノ教室が流行っているとは、正直たまげました」

 このエピソードで重要なのは、北朝鮮の庶民がささやかながら“ 投資”を行っていることだ。(中略)
たとえば、北朝鮮のドライバーは単にクルマを運転できるだけではダメで、どんな状況下でもクルマを動かすことが職務とされる。職場が支給してくれない部品は自前のネットワークで調達せねばならず、その人脈は国境地帯の同業者を経て中国にまで伸びる。目端の利く人々は、そうしたルートで中国の家電製品を仕入れて売ることで、蓄財できる。こうした取引で人民元が流入。外貨の信用力に支えられ、商取引が活発になったのだ。

 一連の流れに押されるようにして、北朝鮮政府は02年7月、非合法だったヤミ市を自由市場として公営化し、国民の個人事業を認めた。食糧難で国家が配給制度を維持できなくなり、国民に自立を促さざるを得なくなったことが背景にある。

 いずれにせよ、北朝鮮の人々は次第に自由を謳歌し始めた。消費者ニーズの多様化につながり、「草の根資本主義」が発展したのだ。(中略)

 平壌をはじめとする大都市の辻々で、公共交通手段とは異なる非正規の中長距離路線バス―「白タク」ならぬ「白バス」が乗客を募り出したのは、やはり00年代はじめのことだったとされる。

 (中略)自然発生的なもので、バスのオーナーにはヤミ市でキャッシュを貯め込んだ個人もいれば、国から独立採算を命じられた国営企業もあったという。各々が中国から中古車両を仕入れ、バス会社経営に乗り出したのだ。

 客はあっという間に増えた。バスの周りには黒山の人だかりが絶えず、交通秩序に支障をきたすほどだった。国から許可を得ていないモグリのビジネスであるだけに、経営者が罰せられる可能性もあった。しかし、北朝鮮当局の取った態度は逆のものだった。バス会社の経営者たちにこう命じたのだ。「お前たちのためにバスターミナルをつくってやる。路線ごとに運賃を決めて、秩序を守ってここで商え。そして、ターミナルの利用料を国に納めよ」

 信頼性の高い交通網に、国家も利用価値を見出したのだろう。こうして誕生したバスターミナルには、路線と距離に応じて細かく金額の定められた料金表が掲示されている。現地の人々の証言によると、これらの金額はガソリン価格やその他の物価と連動した「実勢価格」であるという。北朝鮮国内ではすでに、物価の変動に合わせて相場が上下する、マーケットメカニズムが機能しているわけだ。(以下略、)

李策(デイリーNKジャパン)

 

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