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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Valua Vitaly / shutterstock.com

美容注射のサロン「Alchemy 43」を創業する前、ニッキ・レヴィは製薬大手アラガンのMR(メディカル・レプリゼンタティブ)だった。

レヴィは大学卒業後、MACやカルバン・クライン・ビューティーといった化粧品会社で合計10年働いたのちにアラガンに転職。ボトックスやジュビダーム(シワ取りに使われるヒアルロン酸)などの注入剤や、まつ毛育毛剤のラティースを、ビバリーヒルズのクリニックに売り込む日々を送っていた。

時は2009年、不況真っ只中だったが、全米一のボトックス消費量を誇るビバリーヒルズでは、美容外科や皮膚科は繁盛していた。その一方で、レヴィはボトックス注射が人目を忍んでこっそり行うものとして捉えられていることに違和感をおぼえていたという。アンチエイジング目的でボトックスを使う者は年に4回ほどの施術を受けるが、当時は美容外科ではなく歯科で受ける者も多かった。

「美容習慣ではなく、あくまでおまけ的な処置と捉えられていた」とレヴィは振り返る。

2010年、同じロサンゼルスで、美容師のアリ・ウェブによるブロー専門のヘアサロン「Drybar」が開店した。同サロンが瞬く間に事業を拡大していく様子に、レヴィは新しい可能性を見出した。

「Drybarは、それまでカットやカラーの仕上げのプロセスだと思われていたブローを、独立したサービスとして提供した。それを見てひらめいたの」

2017年現在、レヴィが立ち上げたAlchemy 43はDrybarのボトックス版として、着実な成長を遂げている。ビバリーヒルズの本店に加えて、新たにロサンゼルス内に3店舗のオープンが決まっており、2018年内にニューヨーク、マイアミ、ダラスに進出する予定だ。レヴィは6年間で50店のオープンを目指している。

先日行われたシードエクステンション(追加拡張投資)も含めると、Alchemy 43のこれまでの資金調達額は320万ドル(約3.6億円)。出資者には、カースティン・グリーンが率いるForerunner Venturesをはじめ、アリ・ウェブとウェブの兄でDrybar共同創業者のマイケル・ランドーが名を連ねる。Drybarの二人はアドバイザーにも就任した。

Alchemy 43の売りの一つは、最新テクノロジーの導入だ。顧客は来店すると個室に通され、施術後の顔の3Dイメージを大きなスクリーンで見せられる。レヴィにとって、サロンは「ビューティー・ラボ」であり、医療スタッフは「錬金術師」(alchemist)なのだという。

編集=海田恭子

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