旧型になった製品の動作を遅くするなど、企業のこうした行為は「計画陳腐化」と呼ばれている。ウィキペディアによれば、これ(または「計画的旧式化」)は、「製品が陳腐化するように(一定の期間がたつと流行遅れになったり、実用的でなくなったりするように)、寿命を人為的に制限するよう計画・設計すること」だ。
どの企業も「陳腐化」させたい
消費者に最新の、そして最も素晴らしい製品を購入してもらいたいのは、アップルだけではない。なぜかといえば、そうすることでより数多くの製品を売ることができるからだ。テクノロジーに詳しい人でなくてもよく分かっている。つまり、それが企業の利益につながるからだ。
そして、これは今に始まったことではない。新型のiPhone(またはiPad)を発売するたび、アップルは新しいソフトウェアを導入。アップグレードしない人には「悲惨」なことが起きるようにしてきた。
ただ、ユーザーの立場から言えば、この点についてはマイクロソフトもその他の多くの企業も同じだ。計画的陳腐化を行っている企業の名前を挙げ始めれば、きりがない。
ユーザーは「強要」されたくない
公平を期するために言っておくと、テクノロジーは絶え間なく向上し続けており、企業は常に消費者に最新、かつ最高のものを提供したいと考えるものだ。そのため、「旧型」の製品がうまく機能しなくなってしまうことも起こり得る。それはごく一般的なことであり、製品が旧型になること自体について、問題だと思っている人はいない。
問題が起きるのは、企業が旧型になったデバイスの動作速度を意図的に落としたり、あるいは消費者に対し、新型への買い替えを積極的に「強く促す」ための行動を取ったりしたときだ。
「消費者第一」ではない?
経済学の基本から言えば、営利目的の企業は(例外なくどの企業も)より多くの自社製品を消費者に購入してもらうため、最善を尽くすものだ。テック関連企業は消費者に買い替えを強いるという点で悪名が高いが、その他の業種の企業もしていることは同じだ。
それが、企業が儲けを出す方法なのだ。計画的陳腐化は、今後もなくなることはない。ただ、「これは実際のところ、消費者のためではない、投資家たちのためなのだ」と主張する人もいるということだ。