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組織行動学から読み解く

STILLFX / Shutterstock.com

心折れるリーダー、出勤できなくなる会社員……。日常生活のいたるところにストレスは潜み、いくつかの出来事がトリガーになって、ある日突然、ストレスに負けてしまう。もしかしたら、それは明日、あなたを襲うかもしれないのだ──。

厚生労働省の平成28年の労働安全衛生調査によると、現在の自分の仕事等に関することで強い不安、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者は59.5%(前年比+3.8ポイント)。

労働安全衛生法において努力義務とされているストレスチェック(調査票などを用いて現在のストレス状況を把握し、本人に気づきを与えるためのもの)を実施した事業者の割合は62.3%(前年比+39.9)、メンタルヘルス対策(事業者が講ずるように努めるべき労働者の心の健康の保持増進のための措置)に取り組んでいる事業所の割合は56.6%(前年比−3.1)となっている。

従業員がストレスを抱えながら仕事をするということは、会社にとって労働生産性を下げる等コストである。実際、職場においてストレスがもたらした常習欠勤、生産性低下、医療費、裁判費用などに対して、米国企業は年間2000〜3000億ドルもの支出を行っていると試算されている。人材が「材」として機能するよう、ストレスを下げる取り組みを行うことは、企業経営においても重要な視点である。

またリーダー自身がストレスに負けてしまえば、社員たちの生活に大きな影響を与えることは言うまでもない。

つまり、ストレスをうまくコントロールし、ストレスをうまく和らげながら生活することは、今の時代を生きる私たちにとって重要なリスク・マネジメントなのだ。

ストレスの三大要因のひとつに必ず入るのは「人間関係」だ。職場で、家庭で、地域で、人と人のつながりが、心を傷つける。一方、ストレス治療で最も重要なのは人間によるサポート、すなわち「ソーシャル・サポート」(「個人が取り結ぶネットワーク成員の間で、個人の安寧を増進させる意図で交換される心理的・物質的資源」のことであり、ストレス対処資源のひとつ)である。

つまり、人によって受けたストレスは、人によってしか解決されない。まさに人間がエコノミック・アニマルではなく、ソーシャル・アニマルであることの証明でもある。

ソーシャル・サポートでは、対人ネットワークが大きいほど健康が増進される、とされている。人間関係が幅広い人ほど、ストレスに打ち勝ち、健やかに日々を過ごすことができるということである。

文=林久美子

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