もちろん、瞑想は心を落ち着かせるための素晴らしい方法だ。実際にいくつもの研究結果によって、瞑想をすればよく眠れるようになり、集中や記憶力が高まり、免疫系の機能を高めることが示されている。だが、いくら数えきれないほどの効果が証明されている古くからある方法でも、瞑想は誰にとっても簡単にできるものというわけではない。
そこで、心を落ち着かせることが科学的に証明されている、瞑想以外の5つの方法を紹介してみたい。
1. 塗り絵
これまでの研究結果から、塗り絵にはストレスの緩和や集中力の向上、不安の軽減といった精神的健康の維持・促進につながるさまざまな効果があることが分かっている。瞑想と同じように、塗り絵は今行っているその一つの動作に集中することで、心を落ち着かせ、否定的な感情を消し去る効果がある。
2. 編み物
女優のカーラ・デルヴィーニュやジュリア・ロバーツ、俳優のライアン・・ゴズリングなども、編み物が好きなことが知られている。リズミカルに動作を繰り返すことが副交感神経系を優位にさせるため、リラックスすることができる。
編み物が趣味だという世界各地の3500人以上を対象に2013年に実施された調査の結果、編み物を頻繁にしている人ほど幸福度が高く、気持ちが落ち着いていることが分かった。また、その他の複数の研究結果でも、編み物が不安障害やうつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、摂食障害、慢性痛を患う人たちの症状の緩和に有効であることが示されている。
3. 散歩
その他の運動と同様に、散歩は私たちの気分を高めてリラックスさせてくれるエンドルフィンの放出を促す。また、脳への血流を増加させることから、認知機能を向上させる。
過去の研究では、公園など自然に触れることができる場所を散歩する方が、歩道を散歩するよりもストレスや不安を和らげるのに効果的であることが確認されている。ストレス緩和の他にも、定期的に早足で30分散歩することを習慣にすれば、骨と肺の強化や糖尿病の予防、ウエストラインをすっきりさせることにつながる。
4. 日記
自分の思考や感情を文章にすることで、ストレスに対処することができる。日記には一切のフィルターを通すことなく、自分の気持ちを吐き出すことができる。また、気持ちをつづることは自己啓発や自己分析のための最善の方法でもある。さらに、過去の研究によれば、うつやPTSDの症状の改善や薬物乱用障害の治療にも効果があることが分かっている。
5. 読書
たとえ6分間だけの読書でも、場合によってはストレスレベルを半減させることができる。読書は想像力を刺激し、それが健康的な「現実からの逃避」になる。さらに、読書は睡眠を促し、アルツハイマー型認知症のリスクを低下させる効果がある。また、過去の研究では、習慣的に読書やパズルなどで頭を使っている人はそうでない人に比べ、アルツハイマー型認知症を発症するリスクが2.5倍低いとの結果が示されている。
リラックスするために自分にとってはどの方法が最善なのか、まずは実際に試してみることだ。