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2017.11.14

米慈善団体の寄付額ランキング 首位は1年で4600億円集める

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昨年は米国の慈善事業界にとって良い年だった。非営利団体(NPO)や個人の慈善活動について取り上げる雑誌「クロニクル・オブ・フィランソロピー」の年次報告書によれば、主要NPOが民間から集めた資金は合計で1080億ドル(約12兆円)以上に上った。

「フィランソロピー400」と題したこの報告書では、NPOが昨年集めた資金額について調査。ランキング入りした400団体への寄付額は、2016年に全米の慈善事業が集めた総額の25%以上を占める。

1位は、フィデリティ・チャリタブル・ギフト基金。ボストンの投資信託会社フィデリティ・インベストメンツから生まれたドナー・アドバイズド・ファンド(DAF)だ。昨年の民間からの寄付額は40億7630万2537ドル(約4600億円)で、2年連続で首位に立った。

同基金は来年のランキングでも上位に入りそうだ。クロニクル誌によると、同基金は会計年度末である今年6月時点で、69億ドル(約7800億円)近くの寄付金を集めている。

2位は昨年同様、ユナイテッド・ウェイ・ワールドワイドだった。バージニア州の社会福祉団体で、クロニクル誌によれば、2016年には民間から35億3967万2346ドル(約4000億円)の寄付を集めた。この組織は「フィランソロピー400」ランキングの常連で、1991年から計24回も首位に立っている。

3位は投資銀行大手ゴールドマン・サックスが立ち上げたDAFのゴールドマン・サックス慈善基金。2016年の寄付額は31億9015万7926ドル(約3600億円)で、自己最高位となった。これまでの最高位は2015年の12位だった。

クロニクル誌は近年の傾向として、DAFの人気を指摘している。DAFの寄付額は過去5年の間に106%増加。DAFでは、寄贈者が匿名性を保ったまま、寄付金の使い方をコントロールできる。また、民間財団を設立するのにかかる高額な間接費や管理費もかからない。

クロニクル誌によれば、DAFへの寄付金増加の要因としては、株式市場の好調や、富裕層の寄付行動の変化がある。「より多くの富裕層が、家族財団を解散させ、DAFに資産を投入している。財団にかかる費用や煩わしさを回避しているのだ」と同誌は指摘している。

2016年の米慈善団体寄付額ランキング

1位 フィデリティ・チャリタブル・ギフト基金
民間からの支援額:40億7630万2537ドル
2015年からの変化:-11.5%

2位 ユナイテッド・ウェイ・ワールドワイド
民間からの支援額:35億3967万2346ドル
2015年からの変化:-4.5%

3位 ゴールドマン・サックス慈善基金
民間からの支援額:31億9015万7926ドル
2015年からの変化:+450.4%

4位 タスク・フォース・フォー・グローバル・ヘルス
民間からの支援額:31億5546万8284ドル
2015年からの変化:+91.8%

5位 フィーディング・アメリカ
民間からの支援額:23億7563万5807ドル
2015年からの変化:+10.5%

6位 シュワブ慈善基金
民間からの支援額:19億2269万5881ドル
2015年からの変化:-8.8%

7位 救世軍
民間からの支援額:18億8274万4000ドル
2015年からの変化:-1.1%

8位 全米キリスト教基金
民間からの支援額:15億3225万6000ドル
2015年からの変化:+6.3%

9位 シリコンバレー・コミュニティー基金
民間からの支援額:13億8388万8000ドル
2015年からの変化:+12.3%

10位 バンガード慈善寄付プログラム
民間からの支援額:12億7886万8232ドル
2015年からの変化:+6.1%

編集=遠藤宗生

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