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2017.11.05 11:00

元世界ランキング1位のリディア・コの向上心

リディア・コ(Photo by David Cannon/Getty Images)

リディア・コ(Photo by David Cannon/Getty Images)

今回は、レッドベターに指導を受け、世界ランキング1位となったリディア・コに関するエピソードをご紹介したいと思います。

彼女は、アマチュア時代に世界ランキングを130週連続1位、全米アマをはじめとするタイトルを総なめにし、2012年のUSLPGAツアー「カナディアン女子オープン」で15歳4ヵ月の史上最年少かつアマチュアで優勝という快挙を達成しました。

その後プロ入りし、活動の拠点を出身地のニュージーランドからアメリカへ移す際、それまでのコーチはアメリカに帯同する気持ちがなかったため、新しいコーチを探してレッドベターのもとを訪れました。

レッドベターは、リディアが彼のもとへ訪れてくれた事をとても光栄に思いましたが、初めは彼女のコーチングの依頼を断りました。なぜかと言えば、彼女は既に素晴らしいプレーヤーであり、もし今後彼女が活躍できなくなった時は彼の責任となり、活躍してもそれは「彼女が素晴らしいから」となることが、今までの経験上予想されたからです。

しかしながらリディアは、今のままでは自分には足りないものがあると自覚していて、新しいことに挑戦する必要性を感じていました。彼女は、一度は断られたコーチングを再度レッドベターに依頼したのです。結局彼女と両親の強い気持ちに折れて、レッドベターはその依頼を引き受けることにしました。

当初は、上記した理由から気が進まなかったレッドベターですが、彼女を更なる偉大なプレーヤーにする手助けができることはエキサイティングであり、とても光栄に感じると同時に、彼の中には彼女の飛距離を伸ばし、ショットを安定させる未来像があり、なおかつそうできる自信もありました。

リディア・コの良いところは、レッドベター曰く「欠点がないところ」。何人ものメジャーチャンピオンや世界ランキング1位の選手を指導してきた彼曰く、誰にでも1つや2つは欠点があるそうですが、彼女には、ゴルフというゲームの全ての分野でしっかりとした物が確立されていて弱点が見当たらないそうなのです。

ロングショット、アイアンショット、ウェッジショット、パッティング、リズムなど全ての分野で高度な技術をもっています。そして、一番の良い点は、とても良い気質をもっていること。いわゆるメンタルの面では、落ち着いてプレーができる点が素晴らしく、とても10代とは思えない冷静さがあります。

世界一を争う選手たちは、皆さまざまな才能に恵まれています。しかしながら、その才能を生かすことが出来ない選手も多々いるのです。一流プレーヤーともなると色々な雑音が周りから入ってきます。しかし彼女は、周りの雑音には惑わされず、練習への取り組み方、メンタル的要素、ゴルフ全般に対する考え方が非常に素晴らしかったと言っています。

普段の練習でも、何事にも真剣に取り組み、まさにチャンピオンとなる為の要素を全て兼ね備えているとレッドベターは言っていました。
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文=石田昭啓

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