これにより、製造年、メーカーや車種等での検索の絞り込みが可能になり、メッセンジャーを通じて販売員とチャットで直接やり取りすることもできるようになる。
フェイスブックのブロダクトマネージャーBowen Panは、メッセンジャーとの連携こそがマーケットプレイスの使い勝手をいっそう高める鍵になったと、電話取材で強調した。
「自動車はマーケットプレイスでも指折りの人気カテゴリだ。モバイルは何よりメッセージとの相性がいいことを念頭に機能を高めた。これからは、入力項目をいちいち事前に埋める必要も、サイトを訪れるごとに多くの個人情報を差し出す必要もなく、興味を抱いた車について、リアルタイムでシームレスに確認できるようになる」
昨年10月に始動したマーケットプレイスについて、フェイスブックはアクティブユーザー数を公表していないが、マーケットプレイスの検索ボリュームが今年の年初から3倍にまで増え、毎月およそ5億5000万人の人々が「buy-and-sell(売ります、買います)」のフェイスブックグループを訪れていることを公表している。
また、マーケットプレイスで売り手と買い手が交わすやり取りの回数は2017年上半期を通じ約70%増加し、今年5月には米国だけで1800万アイテムが出品された。さらに、このプラットフォームはいまや、20カ国以上で使えるようにもなっている。
競合サービスの数字をあげると、30カ国以上で展開中のeBayを今年の第1四半期に利用した人はおよそ1億7100万人だった。調査企業コムスコアはまた、今年2月のクレイグリストの利用者が約5500万人だったと報告している。ちなみにクレイグリストが昨年、個人間売買で売り上げた額は、6億9000万ドル(約784億円)以上との報告もある。
「実名」の強みを活かせるメリットも
モバイル経由のEコマースは急激に成長を遂げている。eMarketerの資料ではスマートフォンを用いたEコマースの売上は今年、米国だけで1000億ドル(約11兆円)を突破するとされる。その数字は2021年には3330億ドル(約38兆円)に達すると見込まれ、全Eコマース売上の80.5%を構成することになると予測されている。
フェイスブックは、同社が収集した個人データの活用が、他社Eコマースサイトに対しての大きな強みになると目論んでいる。実名を原則とするやり取りによって、近所に暮らす友達の友達同士を結びつけられることが、マーケットプレイスの独自性につながっているというのだ。
マーケットプレイスが始動して以来、フェイスブックはたびたびデザインをアップグレードし、検索の際の候補提示などで、AI(人工知能)の活用も進めてきた。そして現在、マーケットプレイス内の通販、チケット販売、ホームレンタル、仕事探しなどのカテゴリで、新たな機能をテストしているところだと語った。