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映画界の巨匠スティーブン・スピルバーグ監督(Photo by Paul Bruinooge/Patrick McMullan via Getty Images)

映画界の巨匠スティーブン・スピルバーグ監督について米ケーブルテレビ局HBOが新たに制作したドキュメンタリー映画の中で、彼は自身の創造性を開花させた人物として、MCA/ユニバーサル元社長のシド・シャインバーグを挙げている。シャインバーグは20歳のスピルバーグに7年契約をオファーし、彼の最初の上司となった人物だ。

スピルバーグは、シャインバーグのある「約束」のおかげで自信が持て、最高の仕事ができたと振り返る。この約束とは「私は、あなたが失敗したときでも、成功したときと同様に強力なサポートをする」というものだ。

スピルバーグは、シャインバーグが「約束を守り通した」と語る。スピルバーグが手掛けた映画『ジョーズ』の制作費が予算を超過し、ハリウッドの誰もが同作の大失敗を予想したときでも、シャインバーグはスピルバーグを擁護した。そして『ジョーズ』は言うまでもなく、記録的な興行収入を達成した。

私はここシリコンバレーで、失敗をまるで勲章のように扱う起業家やベンチャーキャピタリストに囲まれている。米グーグルでは、計算に基づいたリスクを取り失敗するエンジニアが評価されることは有名だ。中には、それ自体は成功しなくとも他の素晴らしいアイデアを生んだアイデアを祝福する「失敗パーティー」なるものまで開く会社もある。

しかし、ここ2、3年の間に、リスクを取ることは良しとされなくなったようだ。異なる会社・文化・国の間では特にその傾向がある。

私は今年、アラブ首長国連邦を2回訪問した際、同国を「石油後」の世界に導くための次世代起業家育成に注力する複数の大学を訪れた。私が大学講師らに「起業家精神を育てる中で、最も困難な課題は何か」と質問すると「失敗を悪いことだとする考え方を克服すること」という答えが返ってきた。

多くの国では「メンツを守る」ことが抑止力となり、失敗は恥だとして認めたがらない。社会心理学者らによると、周りに溶け込んで勝者だと見られたいという潜在的な欲求は、文化に関係なく大半の人間が持っている。イノベーションの実現を目指す指導者は、人々が気軽にリスクを取り、急進的なアイデアを提案できるような文化を作ることで、チームが失敗への恐怖を克服できるよう支援する必要がある。

編集=遠藤宗生

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