一生懸命働きながら日々家庭を支える大黒柱は、常に四苦八苦する生活を送りたくはない。しかしこうしたヒーローたち(大半が女性だ)は、スケジュールや家計管理、育児、老いた両親や親類の介護に加え、職場での責任、自分や他者の健康管理などのさまざまな責任を果たしつつ、自分自身の幸福や達成感、そして睡眠を確保しなければならない。
世の中には、女性社員が抱えるこうした問題を認識し、支援する企業がある。女性と家族に焦点を当てた米雑誌「ワーキングマザー(Working Mother)」を出版するワーキングマザー・メディアは、32年前から女性に優しい企業100社のランキングを発表している。先日発表された今年のランキングで上位になった10社は次の通り。
1位
ゾエティス2位
ユニリーバ3位
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)4位
プルデンシャル・ファイナンシャル5位
マッキンゼー・アンド・カンパニー6位
ジョンソン・エンド・ジョンソン7位
IBM8位
アーンスト・アンド・ヤング9位
デロイト10位
バンク・オブ・アメリカ今年初めてトップ10入りを果たしたのはユニリーバだ。同社が上位100社に入ったのは過去5回のみ。北米ユニリーバで多様性の取り組みを進めるキース・クルイトフ社長は、多様性を重んじる文化を社内に広めることが自身の目標の一つだと語る。ユニリーバでは役員・管理職の約半分が女性。同社の育児・介護補助金制度や、体外受精・卵子凍結などの家族計画サービス支援は進歩的だ。
会計事務所のデロイトは、同ランキングの上位100社に過去24回選ばれ、今年も一昨年、昨年に続きトップ10入りした。キャシー・エンゲルバート最高経営責任者(CEO)は、大切なのは従業員のニーズに注目することだとし、「22歳でも32歳でも、52歳でも62歳でも、社員のライフサイクルに応じたさまざまな手当を考慮するよう進歩してきた」と述べた。
エンゲルバートによると、若い従業員はフィットネスへの補助金、中堅従業員は育児補助、それ以上の年齢の従業員は退職や高齢の両親の介護支援制度に注目している。従業員が必要とするものを与えれば、会社も企業として利益を得られるのだという。