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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

Maksim Toome / Shutterstock.com

機械創造学(Computational Creativity)が変えるのは、もちろん「働き方」だけではない。日常生活に、人間が想像もしなかった方法で、今までにない「楽しさ」「驚き」「喜び」をもたらしてくれるはずだ。

では、暮らしはどんなふうに変わるのか。例えば、「料理」と創造性との関係から、未来の生活を垣間見てみよう。

気鋭の若手研究者、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 電気コンピューター工学助教授のラブ・ヴァーシュニーが、かつてIBMで開発した「シェフ・ワトソン」は、“夢の人工知能シェフ”。オレンジとワカメ、ナッツと藻類タンパク質─人間では到底思いつかない「斬新な組み合わせ」に、美味しさを兼ね備えた新メニューを次々と考案してくれる優れものだ。

意外な組み合わせを見て、楽しい。食べて、美味しい。それは、食事の楽しみ方の未来を提示してくれる画期的な発明であった。

「これまで私たちが食べてきたような“伝統的な料理”は、友達や家族との特別な食事だけになり、未来に私たちが日常的に口にするものは、まだ想像もできないようなメニューになっているのではないだろうか」

ヴァーシュニーはそんな「未来の食卓」を予想する。もしかすると、「二度と同じメニューを食べない人生」も、夢ではないのかもしれない。

レシピの考案という高い創造性が求められる分野で、ブレイクスルーを起こせたのは、なぜか。それは、「創造性は、『新しさ』と『質』というたった2つの変数で数式化できる」という斬新なアイデアの勝利であった。料理の場合、「新しさ」とは、食品の組み合わせや味に対する驚き、「質」とは美味しさだ。数式化さえできれば、機械でもできるはず。その挑戦の成果こそが、「シェフ・ワトソン」だった。

こうして、ヴァーシュニーが「食」を通じて考えてきたのは、「創造性の限界」である。

「20世紀に産業革命、緑の革命、情報革命が起きたきっかけは、エンジンの熱効率、農作物の運搬能力、通信量の限界が定義されたことにある。限界さえ分かれば、後は定量化してデータを取り、改善を続けるだけ。だからこそ、私は今、『創造性の限界』を数学的に表現することに挑んでいるのだ」

現在、イリノイ大学で研究に邁進するヴァーシュニー。彼によって、「創造性革命」が起こる日もそう遠くはないかもしれない。そうなれば、シェフ・ワトソン以上に日常をワクワクさせてくれる機械が、私たちの暮らしをより創造的にしてくれるだろう。


ラヴ・ヴァーシュニー◎イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校電気コンピューター工学助教授、座標科学研究所助教授。情報理論、集団的知性、信号処理、データ分析、神経科学、計算創造学などを研究領域とする。

編集=フォーブス ジャパン編集部

 

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