7月17日、ティンダーの親会社のMatch Group(2015年にIACグループから独立し、ナスダックに上場)はティンダーの株式オプションを、約10億ドル相当のMatch Groupのストックオプションと交換した。ティンダーは非公開企業で、同社株は共同創業者のショーン・ラッドやジョナサン・バディーン、ジャスティン・マティーンと初期の従業員らが保有している。
関係筋によると今回のトランザクションでティンダーの企業価値は約30億ドル(約3300億円)と評価されたという。
ティンダーは世界で5000万人の会員を抱えており、30億ドルという企業価値はMatch Groupの時価総額48億ドルの60%以上を占めることになる。今後のMatch Groupの未来とモバイル戦略の行方はティンダーが担う形だ。
シンプルなスワイプ操作が特徴のデートアプリ、ティンダーは2012年に始動し、若い世代の異性や友人との出会いに変革をもたらした。従来の出会いサービスのような面倒なプロフィール入力を省き、表示された相手の顔を見て気に入れば右にスワイプ、気に入らなければ左にスワイプする。お互いが気に入った場合のみ、チャットが始められる。
共同創業者のショーン・ラッドは2014年のフォーブスの取材に「ティンダーは出会いの場で誰もが感じる恐怖を取り除いた。バーで見知らぬ異性に声をかける場合、拒絶されたらどうしようと考えるものだ。我々はその恐怖を取り除き、カジュアルな出会いを実現した」と述べていた。
ティンダーは世界中から支持を集め、毎年数百万人以上がこのプラットフォームでマッチングを果たしている。調査会社アップアニーが集計したアプリの売り上げトップランキングでティンダーは8月30日時点で1位に立ち、キャンディークラッシュやネットフリックス、パンドラらをおさえている。
ティンダーは先日、ティンダーゴールドと呼ばれる利用料5ドルのサブスクリプションサービスの導入をアナウンスした。そのニュースが報じられると親会社のMatch Groupの株価は史上最高値を更新した。