オフィスや店舗を構えるためには不動産が必要だが、世界にはそうした場所代が他よりも高い地域もある。本記事では最も高額な投資が必要となる地域はどこかを探るために、米国に本社を置き世界各国で不動産サービスを提供するCBREが最近発表した報告書を参照した。
事業用不動産が高額な世界の地域トップ10は以下の通り。かっこ内は1平方フィート(約0.093平方メートル)当たりの平均年間賃料。
1位 香港・中環(302.51ドル)
2位 ロンドン・ウエストエンド(213.85ドル)
3位 ニューヨーク・ミッドタウン(202.79ドル)
4位 香港・西九(190.02ドル)
5位 北京・商務中心区(183.10ドル)
6位 北京・金融街(170.29ドル)
7位 東京・丸の内/大手町(161.76ドル)
8位 ニューヨーク・ミッドタウンサウス(156.19ドル)
9位 ニューデリー・コンノートプレース(153.89ドル)
10位 上海・浦東(133.82ドル)
2位に大差をつけ首位に立ったのは、商業都市・香港の心臓部である中環(セントラル)地区。オフィスや店舗を構えるにかかる平均年間賃料は1平方フィート当たり302.51ドル(約3万4千円)だ。
2位は、ショッピングとエンターテインメントの街として世界的人気を誇るロンドン・ウエストエンド。事業向け年間賃料の平均は1平方フィート当たり213.85ドル(約2万4千円)だ。
3位はニューヨーク市マンハッタンのミッドタウン。五番街の商店街に並ぶ趣向を凝らしたショップウインドーの数々で知られ、平均年間賃料は1平方フィート当たり202.79ドル(約2万2千円)だ。
CBREはさらに、昨年の賃料増減率が世界で最も大きかった都市についても調べた。増加率が最も大きかったのは、南アフリカ・ダーバンの21.2%だった。2番目はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスの20%。3位にはスウェーデンの首都ストックホルムの18.8%が続いた。
逆に減少率が最も大きかったのはインドネシアの首都ジャカルタの-19.6%だった。2番目はロシアの首都モスクワの-18%。CBREによると両都市の賃料下落の原因は、石油などの一次産品の輸出への依存にあるとみられる。また、スイス・ジュネーブの賃料が9.8%減少したことについては、対ユーロでのスイスフラン高が原因ではないかとされている。