米キャリア情報サイトのグラスドアは最近、一般ユーザーから同サイトに寄せられたデータに基づき、給与が急増している職業のランキングを発表した。調査対象となったのは、2016年6月から1年間の米国の主要10都市における各職業の平均賃金だ。
トップ10の職業は次の通り。(かっこ内数字は給与の年間増加率と基本給の中央値)
1位 リクルーター(8.4% 5万1585ドル)
2位 バリスタ(7.7% 2万4593ドル)
3位 レストラン調理人(7.2% 2万9025ドル)
4位 保険査定員(6.6% 5万1320ドル)
5位 顧客サービス管理者(6.4% 5万4054ドル)
6位 銀行窓口対応員(6.2% 2万8870ドル)
7位 倉庫作業員(4.9% 4万1442ドル)
8位 整備員(4.8% 4万4018ドル)
9位 調剤技師(4.5% 3万696ドル)
10位 配送ドライバー(4.3% 3万8660ドル)
グラスドアのデータによると、米国全体の給与成長率は鈍化し、3年ぶりにインフレ率が賃金の成長率を上回った。年間基本給の中央値は5万1324ドル(約570万円)となっているが、同社首席エコノミストのアンドルー・チェンバレンは「米国全体の給料中央値を稼ぐ人はまれ。大半の従業員は、職種と勤務地に応じた給料を得ている」と述べている。
「自動化が進みつつある職業では賃金が伸び悩んでいるものの、需要が高い職業では給与が安定して伸びている。多くの小売・技術・医療・専門サービスを提供する職業も、同様に給与中央値が増加を続けている」(チェンバレン)
ランキングで首位に立ったのはリクルーターだ。求職者の履歴書をふるいにかけ、企業に候補者を推薦する。給与は1年間で8.4%増加し、基本給の中央値は5万1585ドル(約575万円)だった。
「米国が完全雇用状態に近づく中、企業は誰もが欲しがる人材を確保するためにますますリクルーターを頼るようになっており、このスキルの需要は高まっている」とチェンバレンは説明する。