これは、フィードバックをするときはまず相手を褒め、その後に批判的な言葉(つまり本音)を伝え、最後にもう一度褒める、という手法だ。
これには善意的な意図がある。指摘を受ける側の衝撃を和らげたり、相手の感情を害さないようにしたり、相手を認めていることに気づいてもらったりすることが目的だ。
しかし、このモデルには根本的な欠陥がある。それは、やり方があまりに分かりやすいため、同じ従業員に1、2回使用すればこちらの意図がばれてしまうことだ。
よって、従業員は褒められると「げっ、今度は何がまずかったのだろう?」と思うようになり、信頼が失われ、懐疑心を抱いてしまう。こんな結果は望まないだろう。
これは相手を操作するため、誰かに間接的・遠回しに影響を与えるために使われる、表面的な手法だ。また、フィードバックを受ける側に気づきを与えるためではなく、フィードバックをする側の気持ちを軽くすることが目的の「逃げ」の手法でもある。
では、代わりにどんなフィードバックをすればいいのだろうか? 以下に2つの「すべきこと」と1つの「避けるべきこと」を紹介する。
1. 戦略を持ち対話する
フィードバックは他のマネジメント手法と同様、万人に通用する手法はない。話の仕方は各従業員やグループに合わせて変える必要がある。
相手との関係は良好だろうか、それとも少しギスギスしているか? 相手の好むフィードバック方法は、少し遠回しな言い方か、それとも単刀直入か? あなたの伝えたいことを相手が理解しているかどうかをどのように見分けるか? フィードバックを双方向の対話にし、相手に改善策を考えさせるにはどうすれば良いか?
これには多少の時間と労力が必要だが、戦略の詳細を考えることで最終的には信頼関係の構築と、自分が望む行動の変化を促すことができる。これこそが、フィードバックの最終目的だ。