米国小児科学会(AAP)は、幼い子供や十代の若者たちに対するネットいじめや「フェイスブックうつ」など、ソーシャルメディアがもたらす悪影響について警告している。ただし、それらの影響は世代を超えて、誰にでも当てはまるものと考えられる。過去の研究結果が示すソーシャルメディアの精神的幸福への6つの影響を、以下に紹介する。
1. 依存性がある
インターネット依存症やソーシャルメディア依存症というものが実際にあるのかどうか、専門家の意見は分かれている。だが、どちらについても存在の可能性を示す証拠となるものが確認されている。
英スウォンジー大学が行った研究では、ソーシャルメディアをはじめインターネットの使用を中止すると、引きこもりの状態に見られるような心理症状を経験することが分かった。また、その後の追跡調査により、使用をやめた人には小さいながらも測定可能なレベルの生理的影響が出ることが確認された。
2. 孤独感が増す
ある研究では、ソーシャルメディアの利用は社会的孤立感の増大と関連していることが分かった。研究チームは11のソーシャルメディア(フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなど)を利用している人たちによるそれらの利用の程度と、「自覚している社会的孤立感の度合い」との関連性を調査した。
その結果、これらのサイトに費やす時間が長くなるほど、利用者本人が自覚する社会的孤立感が増していた。
3. 比較は精神的な「害」
フェイスブックが私たちに社会的な孤立感を与える要因には、他人と比較してしまうということがある。私たちが他人の投稿を「見上げる」(うらやましく思う)か「見下げる」(あなどる)かについて行ったある研究結果によれば、私たちはどちらの感情を持った場合にも、嫌な気分になることが分かった。
実生活の中では、私たちが嫌な気分になるのは誰かの方が自分より優れていると思い、うらやむときだ。だが、ソーシャルネットワークの世界ではどちらの感情を伴う比較も、抑うつ症状と関連していると見られる。