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科学と医薬を担当。21世紀は生物学の世紀であると信じている

Black Duck Style / shutterstock.com

米食品医薬品局(FDA)は5月8日、米医薬品メーカー、エンド・ファーマシューティカルズが製造するオピオイド系鎮痛剤「オパナER(Opana ER)」が乱用されている可能性があるとして、販売中止を勧告した。同種の薬について、FDAがこうした対応を取るのは初めてのことだ。

FDAのスコット・ゴットリーブ長官は声明で、「オピオイド系鎮痛剤(の乱用が)まん延している…公衆衛生上の危機であり、われわれは悪用や乱用を減らすために必要なあらゆる措置を講じる必要がある」と述べた。

「オピオイド系鎮痛剤はその処方を受ける患者にとってだけでなく、悪用や乱用の可能性という点から見ても、もたらされるリスクが利益を上回っている」として、今後も同様の鎮痛剤がこうした状況を引き起こしていることが確認できれば、規制措置を講じていくと明言した。

オピオイド系鎮痛剤の過剰摂取で死亡した米国人は、2015年には約3万3000人に上った。このうちおよそ半数が、医師による処方を受けていた人たちだ。過剰摂取と乱用は、米国に国家的危機をもたらしている。鎮痛剤の乱用は、ヘロインなど違法薬物の使用にもつながっているのだ。

処方薬で依存症に

オパナERは、2006年に慢性痛に処方する鎮痛剤としてFDAの承認を得た。その後、製造元のエンドは2012年に乱用防止のためとして剤形を変更。粉砕して鼻から粉末を吸引することができないようにした。

だが、この変更によってかえってオパナERを静脈注射で使用する人が急増したと見られている。インディアナ州では注射器の使い回しによって、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者が増加。こうした点を問題視したFDAの諮問委員会は今年3月、販売中止を求めるべきだと勧告していた。

ブランダイス大学ヘラー社会政策・管理大学院でオピオイド政策研究の共同責任者を務めるアンドリュー・コロドニー医師は、今回のFDAの対応を歓迎する一方で、その他にも販売を中止すべき鎮痛剤はあると指摘している。

販売を中止すべき鎮痛剤として同医師が最初に挙げたのは、インシス・セラピューティクスの舌下フェンタニルスプレー「サブシス(SUBSYS)」だ。がん性疼痛の治療用として発売された薬だが、実際にはがん患者以外の人たちにも販売されていることが分かっている。

一方、オピオイド系鎮痛剤にはすでに販売が中止されているものもある。パーデュー・ファーマの「オキシコンチン(OxyContin)」だ。だが、これは中毒性が確認されたことを理由にメーカーが販売中止を決めたもので、FDAの指示によるものではなかった。

エンドの2016年の売上高は、40億ドル(約4410億円)。うちオパナERによる売上高は、約1億5900万ドルだった。過去の最も多く販売した時期には、年間およそ3億円を売り上げていた。エンドは勧告を受けて声明を発表。「対応について、あらゆる選択肢を検討中だ」と明らかにするとともに、患者に対する「大きな責任」を感じていると述べた。

編集 = 木内涼子

 

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