コーポレートガバナンス(企業統治)に関するデータを提供する調査会社エクイラーは最近、米企業の収益ランキングで上位100位内に入った企業のCEOの報酬をまとめたリスト「エクイラー100」を発表した。同リストには2017年4月1日までに委任状説明書(日本の参考書類に相当)を証券取引委員会に提出した企業が含まれており、米国の公開企業の50%近くが網羅されていることになる。
CEOの報酬には、2016年度の委任状説明書で公開された基本給と現金賞与、株式・オプション(付与日の株価で計算)、その他の各種手当が含まれる。エクイラー100全体のCEO報酬の平均は1660万ドル(約18億5000万円)だった。
フォーブスは2017年4月28日時点の同誌リアルタイム長者番付を基に、エクイラーのリストの中からビリオネアに対象を絞ったランキングを作成した。エクイラー100に名を連ねるビリオネアCEOは以下のとおり。(金額は2016年の報酬額)
1位 メグ・ホイットマン(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)/約3290万ドル
2位 ハワード・シュルツ(スターバックス)/約2180万ドル
3位 ジェームス・マードック(21世紀フォックス)/約2080万ドル
4位 フレデリック・スミス(フェデックス)/約1680万ドル
5位 ステファノ・ペッシーナ(ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス)/約1010万ドル
6位 ロジャー・ペンスキー(ペンスキー・オートモーティブ・グループ)/約650万ドル
7位 エドワード・ランパート(シアーズ・ホールディングス)/約350万ドル
8位 ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)/48万7881ドル
女性ビリオネアで唯一ランキング入りを果たしたメグ・ホイットマンの2016年の報酬額は、エクイラー100リストで6番目に高い約3290万ドル(約36億7000万円)だった。ヒューレット・パッカード(HP)は2015年、サーバーやソフトウエアなどの企業向け製品を販売するHPエンタープライズ(HPE)と消費者向けコンピューターやプリンターを販売するHP Inc.の2社に分割され、ホイットマンは前者のCEO、後者の取締役員に就任した。保有資産の総額は25億ドル(約2790億円)。
2位のハワード・シュルツは先月にスターバックスのCEOを退任。保有資産は31億ドル(約3460億円)で、2016年の報酬はエクイラー100リストで13位の約2180万ドル(約24億3000万円)だった。
3位のジェームス・マードックは、2015年に21世紀フォックスCEOに就任した。エクイラーによれば、同社は長年にわたり役員に高い報酬を支払ってきた。同社の新CEOは就任直後、会社の業績向上に向けた努力を促すために多くの株式・オプションを受け取ることが多いという。
ビリオネアの中では低い報酬を受け取り続けるウォーレン・バフェットだが、保有資産は740億ドル(約8兆2600億円)で世界4位の大富豪となっている。