以前はライブに向かう際は数か月前にチケットを手に入れるものだったが、チケット販売アプリGametimeのデータによると、熱狂的ファンでもライブの1週間前から1日前にチケットを購入する例が増えている。これは大規模なライブに関してだけでなく、すべての規模のライブに言える傾向だ。
Gametimeの今年のチケット販売数は100万枚。大手のTicketmasterの販売数が月に7,500万枚であるのと比べると少ないように思えるが、Gametimeは若い世代の支持を集め、約75%をミレニアル世代が占めている。
スポーツのチケット販売から始まったGametimeは、昨年12月から音楽ライブの取り扱いを開始。現在75都市でチケット販売を手掛けている。Gametimeではライブ開催の直前1週間にチケットを購入するユーザーが55%を占め、30%はライブの当日に購入している。これはライブ当日には30日前と比べ、25%以上も価格が落ちることも関係している。
Gametimeでコミュニケーションを統括するSean Pateは「ライブのチケットに対する関心は急速に高まっています。お気に入りのアーティストが自分の町に来る情報は事前に入手していても、ライブの直前に購入するケースが増えています」と語る。
ライブの直前にチケットを購入するケースが多いというデータは、効果的なライブの告知のヒントになるかもしれない。オンラインチケットサービスEventbriteのレポート「コンサート・テクノロジーの未来(The Future of Concert Technology)」によると、音楽業界関係者の多くは、現状のライブのプロモーションに十分テクノロジーが生かされていないと感じている。
スポティファイでの告知も効果的
この状況に対応すべくTicketmasterは今年からフェイスブックやスポティファイに対応した、チケット販売のAPIやSDKを公開した。Eventbriteのレポートでは、98%のライブ会場関係者が、販売プラットフォームの増加により売上が伸ばせると考えている。また、回答者の56%がユーザーの音楽の趣味をテクノロジーで把握することで、販売機会を増大できると考えている。
チケットがライブの開催直前に売れるという傾向は、今後の音楽ビジネスにとって非常に重要だ。数ヶ月先のライブを告知しても意味が無いことになる。
Gametimeはこの業界のスタートアップ企業として、ライブの主催企業に協力する動きを進めている。「私たちはチケット転売を専門としていますが、ライブ会場の関係者らは売れ残りを減らすために、我々とデータを共有し始めています」と担当者は話した。