調査の結果、男性の平均賃金の中央値は、女性より約24%高いことが分かった。昨年の結果と比べると2パーセントポイント低下しているという。
男女の賃金格差が大きい業界は1位から順に、以下のとおりとなっている。
1位 金融・保険業──29%
2位 行政関連(地方・州・連邦政府当局で働く公務員)──25.6%
3位 専門・科学・技術サービス業(弁護士からエンジニアまで幅広い職種を含む)──25.2%
4位 医療・社会扶助──23.3%
5位 採鉱・採石・石油と天然ガス採掘──22.8%
6位 情報通信業──22.1%
7位 小売業──20.0%
8位 会社・企業経営──19.4%
9位 製造業──18.8%
10位 公益事業──18.3%
ペイスケールはこのランキングに関して、4位の医療・社会扶助の分野では働く人の8割が女性であるという点を指摘している。女性が大半であるにも関わらず、それでも女性の賃金は男性より低くなっている。
そのほか、州別に男女の賃金格差について調べたところ、最も差が大きかったのはワイオミング、アラバマ、ルイジアナの各州だった。一方、ニューイングランド地方のバーモント、メーン、ロードアイランドの3州では、比較的平等に賃金が支払われている。
調査対象は、米国内で働く約180万人。調査期間は、2014年10月から今年10月末まで。結果は各業界の職種と賃金に関するデータのみに基づくものであり、例えば経営に携わる女性の数が男性に比べて大幅に少ないことなど、その他の要素は反映していない。
「平等」の考え方は学歴を反映?
また、ペイスケールは約8万人を対象に、職場の男女平等に関する考え方についての調査も行った。その結果、賃金格差に関する受け止め方には、働く人たちの教育水準が大きく影響していることが確認された。
教育水準が高い女性ほど、勤務先の企業による男女の不平等な扱いを問題視する傾向がある。例えば高卒の女性の場合、「男女は平等に扱われている」と答えた人の割合は54%。経営学修士(MBA)、法務博士(J.D)、その他博士号(Ph.D.)を取得している女性たちの場合、同様に考える人の割合は29%にとどまっている。
そのほか、同じ職場で働く男性と女性の意識にも大きな差異があることが分かった。その違いが特に目立つのは、ビジネススクール(経営大学院)を卒業した人たちだ。
MBAを取得した男性のうち、勤務先が取っている男女平等の実現のための対応が「不十分だ」と答えた人は、わずか12%。一方で、この学位を取得している女性のうち、同じように答えた人は37%に上った。