堂々と「寝てしまおう」と思ったのであれ、我慢しきれずに眠りに落ちてしまったのであれ、眠ってしまった場合には、どのくらい長く眠ったら寝過ぎになるのだろうか。あるいは、眠気は深刻な健康問題の症状や原因なのだろうか。こうした疑問を持ったことがある人もいるだろう。
そこで、睡眠に関する最新の研究結果から明らかになっていることと、昼寝に関するアドバイスのいくつかを紹介する。
昼寝の長さ
科学的な研究結果から得られている一致した意見は、昼寝の時間は20分以内にすべきだということだ。それ以上眠ってしまうと、生体時計のリズムを崩す危険が生じる。「睡眠惰性」と呼ばれる影響が出て、時差ぼけに似た状態になるのだ。これが解消されるまでには、数時間かかる。また、その日の夜間の睡眠にも影響を及ぼすかもしれない。
カフェインの効果が出るまでには20分かかることから、昼寝をする前に何杯かコーヒーを飲んでおくのもいいかもしれない。
睡眠に関する科学によれば、ただ眠気に耐えられなくなって眠るのではなく、昼寝は計画的にするのがベストだそうだ。そうすることで、体内時計の周期を乱さずにおくことができる。
健康問題
最新の研究結果では、昼間に突然、長い時間にわたって眠ってしまうことは、症状ではなく原因である可能性が高いと考えられている。最も考え得るのは、睡眠時無呼吸による夜間の睡眠不足だ。無呼吸は、呼吸を妨害する障害によって起こり、脳にも十分な酸素が行きわたらなくなる状態だ。
この症状に悩む米国人は、2,900万人以上といわれている。だが、大半は医師の診察を受けていないとみられる。睡眠時無呼吸は、起きているときの意識をぼんやりとさせる以上に、心疾患や脳卒中の可能性を高めるなど複数の理由で、危険だとされている。
日中に襲う眠気は、糖尿病の症状かもしれない。また、症例としては少ないものの、パーキンソン病の症状の場合もある。その他には、突然襲う強い眠気とうつ病の強い関連性も指摘されている。
アドバイス
こうした研究結果から、昼寝に関する最善のアドバイスと考えられるのは「計画的に短時間眠る」ということ、「突然に襲う眠気で何時間も眠ってしまうなら、医師の診察を受けるべき」ということだといえる。
一方、昼寝に関する朗報もある。昼寝は脳をリフレッシュさせ、目が覚めてから4時間の注意力と集中力を高めることができる。適度に取る昼寝について、罪悪感を持つ必要はないということだ。