同社のサイトによると、ルーシッドキャム(LucidCam)という名前のこの携帯用カメラは、180度視野角の立体(3D)動画を撮影することできるという。
ルーシッドVRのハン・ジン創業者兼CEOは、ルーシッドキャムのアイデアは「世界各地にいる友人や家族と経験を共有したい」というジン自身の願望から生まれたものだという。中国生まれ、ドイツ育ちでカリフォルニア大学バークレー校でも教育を受けた彼は、旅行者のニーズや願望に精通している。
彼は「VRカメラによって、誰もが行けなかった場所までバーチャル旅行できるようになる」と言い、こうしたテクノロジーを自分だけではなく遠く離れた場所にいるあらゆる人々が使えるようにしたかったと付け加える。
ルーシッドキャムの視野角は360度ではなく180度。ジンによれば、これは実用性と美的感覚を重視した判断だという。
「誰かがルーシッドキャムでセルフィーを撮って私に送ってきた場合、私はその人物の顔を見ているような感覚になる。だが360度の写真だと、なんだか平面のように見えてしまうんだ」と彼は言う。
また視野角を180度に抑えることで、カメラをポケットに入れて持ち運べる小型サイズにすることが可能になる。それに180度撮影したものを360度に変換することは可能だが、360度撮影したものを180度に変換することは難しい。
ルーシッドVRは、現在カリフォルニア州サンタクララに本社を置く社員8人のスタートアップ企業。2016年4月にはシードファンディングで210万ドル(約2億1,170万円)を調達し、台湾のODM企業ウィストロン(Wistron)と提携した。
2015年にはクラウドファンディングサイトのインディゴーゴーで10万ドル(約1,008万円)を調達している。ジン率いる同社のチームは3年近く前からルーシッドキャムの開発に取り組んできた。困難だがやりがいのある取り組みだと彼は話す。
「開発から2年半を経て、ようやくルーシッドキャムの第1号ができた。まるで2年間妊娠していたような感じだったよ」
ルーシッドキャムは現在、1台399ドル(約4万円)で予約注文が可能で、クリスマスシーズンまでには入手可能だということだ。またジンによれば、近い将来、ベストバイやアマゾンのような場所でも販売を予定している。