リーダーシップに関する会議などに出席する識者らの意見からキャリアを積む方法に関する記事まで、あらゆるところでこの言葉を見聞きする。ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)も先ごろ応じたインタビューの中で、「週末に従業員が出社しているかどうかが、成功するかどうかの大きな指針だ。…本当に一生懸命働いてこそ、成功することができる」と語っていた。
目標の達成に向けて専念すること、熱心に打ち込むことは重要だ。そして、多くの人たちにとって一生懸命に働くことは言うまでもなく、重要な成功要因だ。だが、問題は懸命な働き「のみ」が重視されていることだ。なぜなら、成功とハードワークに相関関係があることはこれまでの調査で明らかになっている一方で、ただ懸命に働けば成功するのかどうかという点については、まだ明確な評価は示されていないからだ。
避けられない問題もある
例えば、職場では人の思いこみや無意識のうちの偏見に大きな影響力があることが、圧倒的な量のデータから示されている。男女不平等の問題もある。女性の労働環境の改善を目指すフェアリーゴッドボスは先ごろ、1,600人を超える働く女性たちを対象にした調査を行ったが、その中でも男女の不平等に関する問題点のうち、最も大きな問題として挙げられたのは、昇進機会の不平等だった。
女性は一生懸命取り組むことに長けている。もしそのように行動することだけが成功の秘訣なのであれば、昇進に関する問題は起こらないはずだ。組織の指導部にはより多くの女性がいるはずであり、賃金の平等も実現しているはずではないだろうか?