効果的な「唯一の」行動とは
成功を収めるために一生懸命働くことは、頭を下げることや、多大な努力を払うことにとどまるものではない。そこには、自分というブランドを自らコントロールすることが含まれる。他の人たちに、自分が懸命に努力していることを確実に「知ってもらう」ことが必要だ。つまり、「報酬を求める」必要があるのだ。
私たちは「自分に自信を持った態度をみせる」人の影響を過度に受けている可能性がある。こうした行動は「セルフプロモーション、本人による売り込み」とも呼ばれ、調査によると、男性の方が何の屈託もなくこれを行うことが分かっている。そして、こうした人の影響を受けているために私たちは、ただ静かにこつこつと働く人たちを過小評価している。
ある調査の結果では、女性が職場で用いるあらゆる戦略のうち、昇給につながるのは「自分自身の上げた成果を周囲に知らせること」しかないことが示されている。上司に確実に自分の業績を認識してもらい、フィードバックを求め、適切な人材であると認めてもらい、自分にとってそれが相応だと思えば昇進を希望する──これ以外に方法はないというのだ。
自分を売り込む行動(要求や業績を伝えること)は、重要なことだ。だが、調査によれば、女性はいまだにそうした行動に出ることに苦労している。上級管理職の女性でさえそうなのだ。
こうした行動に男女の違いがあることに関しては、いくつかの説がある。だが、肝心なのは次の点だ。ただ一生懸命働けばいいのだというキャリアに関するアドバイスを、信じないこと。そうすることは、パズルのピースの一つにすぎない。昇進や昇給を希望するなら、「自信を持った態度をみせる」べきだ。そして、明確に希望を伝えるべきなのだ。