インドは先進国以上にカーシェアに前向き
コンサルティング会社、キャップジェミニのレポートによると、自家用車を所有せずにカーシェアリングやレンタカーを利用することに前向きな考えを示す人の割合はインドを含む新興市場では59%に上るが、欧米など先進国では25~30%にとどまっている。
Mylesは設備投資を抑えるために、タクシー会社やカーディーラー、自動車メーカーなどと提携し車両を提供してもらっている。現在、同社はインド国内の21都市で事業展開し、1,000台以上の車をレンタカーとして提供している。インドのレンタカー会社としては珍しく、カーナビのレンタルやロードサイドサービスなども提供している。Vijによると、利用者の15から20%は海外からの訪問客だという。
インド生まれのレンタカー会社は、Myles以外にもムンバイを拠点とする「Zoomcar」やバンガロールを拠点とする「JustRide」が存在する。また、「エイビスレンタカー」などのグローバル大手も強敵だ。
「自分で運転するニーズが高まっている中、海外のレンタカー企業がどんどん参入してくることが予想される。我々のようなインド生まれのサービスの強みは、急速に変化するインド人消費者のニーズに柔軟に適応できる点だ」とVijは言う。彼女は3~4年後に事業を海外展開することを目指している。
「我々は車を所有しない新たなエコシステムのソリューションを提供したいと考えている。カーシェアリングの車が1台増えるごとに、20~25台の自家用車が手放されることが統計上示されている」とVijは話す。Vij は、Mylesのようなカーシェアリング企業が低燃費車を採用することで、環境に配慮したスマートシティの実現に貢献できると考えている。
「変革はまだ始まったばかりだ。インドでは個人や公共の交通サービスに対する需要が高まっているが、交通産業が長年バラバラな動きをしていたために対応が遅れていた。この課題を解決するカギはテクノロジーの導入にあり、我々のような企業が中心となって産業の成長を加速させていきたい」と彼女は話す。