テクノロジー

2016.07.10 18:00

フェイスブック「知り合いかも」機能に疑惑浮上、ストーカー被害の懸念も


かつて、筆者は「ダンバー数」の理論を引用し、ソーシャルメディア時代における友達の定義について記事を書いた。ダンバー数とは心理学者のロビン・ダンバーが提唱した、人間が安定した関係を維持できる個体数の上限の理論だ。

「ダンバーの理論によると、人間がつながりを持てる友達の数は150人までだという。この中には、連絡が途絶えた幼少期の友達や、関係性が薄くてソーシャルなつながりのない人は含まれない。しかし、これらの“薄い関係性”の相手も対象にすれば150人を大きく上回る可能性がある。また記憶力の良さによっても個人差が出るだろう」

この理論に従うと、フェイスブックが推奨してくる膨大な数の人々と本当に友達になれるのかどうかは疑わしい。フェイスブックは、リンクトインと同様にユーザーのネットワークをどんどん拡大しようとしている。これはプライバシーを著しく侵害する行為だが、そもそもソーシャルメディアにはプライバシーなど存在しないのだ。

つまるところ、フェイスブックは我々を広告配信のためのプロダクトとしてしか見ておらず、ユーザー間の人間関係など無視してなるべく多くのユーザーをつなげることに全力を尽くしているのだと結論づけられる。フェイスブックが気にしているのは、どれだけ多くのユーザーを、ネットワークの中に位置づけられるかということだけだ。

ソーシャルメディアは人々が過剰につながった奇妙な世界であり、気に入らなければさっさと退会すべきだ。その際には、フェイスブックの退会者の多くがするように、長々と理由を書いて投稿することを忘れないように。

筆者はフェイスブックに対して「知り合いかも」機能がどのような仕組みになっているのか質問をしている。回答があり次第ご報告したい。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事