テスラは自社の「モデルS」「モデルX」共にサスペンションに欠陥はなく、米道路交通安全局(NHTSA)による調査が行われている事実もないと説明。“予備的な”調査さえ行われていないとしている。ただし、今年4月20日にNHTSAから両モデルのサスペンションに関する情報提供を非公式に求められ、10日後に提出したたことは認めており、その上で次のように述べた。
「NHTSAは当社が調査に全面的に協力したとみており、追加の情報提供は不要との連絡があった。情報を提出する以前にもその後にも、NHTSAが当社のサスペンションに問題があると判断した事実はない」
「顧客に対し、NHTSAその他の政府機関への報告を行わないよう求める文書に署名を求めたことはなく、今後もそのような考えはない。ばかげた話だ」
問題の「契約」とは──
問題の発端は、ザ・デイリー・カンバンのエド・ニーダーマイヤーがテスラの“隠ぺい”を伝えたことだ。約11万3,000㎞走行した後にサスペンションが故障したと訴えた顧客に対し、テスラは補償対象外の修理代金の一部を負担する条件として、秘密保持契約(NDA)にあたる「グッドウィル契約」(企業の信用や評判の維持に関する契約)への署名を求めていたと報じた。
テスラはこれについて、サスペンションには通常では発生しない「さび」があり、これは所有者の車の使用状況によるものと考えられると指摘。それにもかかわらず同社が3,100ドル(約33万円)の修理代の半額を負担することに同意したのは、同社の“グッドウィル”(善意)を示すものだという。