フォーブスが選ぶ「世界の有力企業2000社ランキング(グローバル2000)」のうち、トップ3に名を連ねたのは中国工商銀行(ICBC)と中国建設銀行、中国農業銀行の同国大手3行だった。不良債権が急増し、経済全般への下押し圧力が高まる中でも上位を維持した格好だ。
中国の2016年第1四半期(1-3月期)の国民総生産(GDP)は、前年同期比6.7%。それでも経済成長の鈍化を懸念する声は大きい。最新の 国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しによると、同国の経済成長率は今年が6.3%、2017年が6.0%と予想されている。原因は主に、より均衡の取れた成長を目指す中で、投資が減速していることとされる。
中国経済がより多くの課題に直面していることは、今回のランキングからも明らかだ。中国銀行は前回から順位を2つ下げて、6位となった。また、リストに入った中国企業の総数も前回より減少し、ちょうど200社となった(2015年は香港と併せて232社)。
ただし、それでもアジア各国の中で日本に次いで最も多く名前が挙がったのは、中国企業だった。今回のリストに入った日本企業は219社。また、韓国とインドの企業はそれぞれ、67社、56社だった。
各社の業績にも陰り
「世界の有力企業2000社」は、各社の売上高と利益、保有資産、時価総額の加重平均から割り出したスコアに基づいて作成した。リストに入った中国企業は依然として多数に上ったものの、各社の業績には全体として、前年に比べて陰りがみられた。過去12か月の各社の売上高と利益、時価総額の合計は、いずれも減少している。
中国企業の中で最も存在感があったのは銀行だった一方で、数では建設業が勝った。銀行は20社だったのに対し、建設会社は29社となっている。また、材料分野の関連企業も多く、17社が名を連ねた。
一方、ジャック・マー(馬雲)会長率いる中国のネット通販最大手アリババ・グループは、2014年の上場以来、順位を上げ続けている。業績拡大により、前年からランクを95上げて174位に入った。直近の発表では、同社の売上高は150億ドル(約1兆6,530億円)を記録している。