企業の給与などに関する情報を収集・提供する調査会社ペイスケール(PayScale)はこのほど、職場で求められるスキルとその習熟度に関する調査の結果を公表した。それによると、各業界(分野)で働く人たちに求められる特定のスキルを身に付けている場合には、平均以上の給料が期待できることが分かった。
さまざまな業務分野で特に重視されているスキルのトップ3と、給料の平均を上回る割合を以下に紹介する。
─ 経営管理
・ITリスク管理 16.5%
・SAPビジネスインテリジェンス 16.1%
・合併買収(M&A) 15.8%
─ 運営・財務管理
・M&A 18.1%
・SAPビジネスインテリジェンス 16.5%
・システムエンジニアリング 15.1%
─ コンピューター・数学関連
・プログラミング言語「Go」 22.4%
・シスコのプラットフォーム「CE/IPCC」 22.1%
・プログラミング言語「Scala(スカーラ)」 21.8%
─ 業務・管理補助
・プロジェクト管理ソフトウェア「Primavera(プリマベーラ)」 23.3%
・資産運用 20.7%
・知的財産管理 13.5%
─ 生命科学・物理科学・社会科学
・機械学習 22.6%
・事業戦略 19.4%
・データマイニング/データウェアハウス 18.0%
─ 法律関連
・M&A 23%
・弁護士レビュー用ツール「Concordance(コンコーダンス)」 13.0%
・税法順守関連 11.6%
─ 外食・食品サービス
・採用業務 4.2%
・スケジュール管理 3.3%
・顧客関係管理 2.6%
─ 営業
・ITセキュリティー、ITインフラ 16%
・シスコネットワーキング 15%
・損益計算書作成 13.2%
上記のほか、ビッグデータを扱う産業では、データ分析プラットフォーム「Splunk(スプランク)」の使用が可能な場合に14%、アパッチ・ソフトウェアの「Hadoop(ハドゥープ)」が使える場合には12.5%、平均を上回る給料が支払われているという。
「売り」にならないスキルに注意
スキルの中には、履歴書の中で強調すると逆効果なものもあるという。ペイスケールによると、例えば経営管理や財務を担当するポジションに応募する場合、IBMのAS/400、Intuit(インテュイット)の会計ソフト「Quickbooks(クイックブックス)」の使用経験、財産管理に関連したスキルがあることは、あえて記載しない方が賢明だ。
また、コンピューターや数学に関連した業務に応募する人は、データ入力やコールセンターでの経験、営業職に応募する場合は帳簿を付けていた経験を強調しないことだという。これらとは別の強みを売り込む方が得策だ。
ペイスケールは労働者およそ201万人を対象に2014年3月から2016年3月まで、給与に関する調査を実施。今回発表した報告書は、その結果をまとめたものだ。