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2016.04.29 10:00

成田空港を「アジアの防災拠点」に、計画が進行中

TungCheung / Shutterstock.com

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今、世界でどのようなことが課題になっているのか。それを見ずして、新たなビジネスチャンスは生まれない。国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」は、世界が2030年までに解決すべき課題を169項目において提示してくれている。その中に次世代の事業モデルのヒントが隠されていないだろうか—。

産業、インフラの課題について、元国連職員でもあるデロイト トーマツ コンサルティング執行役員ディレクター、田瀬和夫氏に話を聞いた。


「成田空港、東アジアにおける防災ハブ化」。田瀬とデロイト トーマツ コンサルティングが今、関係省庁、国連機関、NGOなどに提案しているアイデアだ。

「〈包括的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する(目標11項)〉とあるが、強靭なインフラを持つ強靭な都市をつくれるか、ということにおいては、日本は世界でダントツの技術を持っています。ただし、それをどのように国際社会に貢献する形で輸出していくか、ということを考えるべきでしょう」(田瀬)

成田空港は、倉庫も多く、物流の能力は十分に備えている。アジアで何か起こった時に国連の物資を輸送する拠点となれる。さらに、物だけではなく、人、情報、国際保健のハブとする。すでに国家戦略特区なので、柔軟な対応が可能だ。地盤が固く、海からも遠いので、南海トラフ地震や、首都直下地震などが起きた際にも力を発揮するのではないか。

成田空港の例は一つのアイデアではあるが、インフラを輸出するにあたっては建築法などの法整備も不可欠。「国連や、政府、NGOの協力を得ながら、システムをまるごと輸出することが必要となるでしょう」(同前)。

たせ・かずお◎1992年外務省入省。2004年より国際連合事務局・人道調整部・人間の安全保障ユニットに出向。14年5月に国連を退職、6月より現職。公共政策と民間利益の『共創』をテーマに活動する。

解説=田瀬和夫 文=フォーブス ジャパン編集部

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