調査会社カウンターポイント(CounterPoint)によると、2016年2月末時点でのインドの携帯電話市場に占めるサムスンのシェアは30%、アップルはわずか2%だ。さらに、別の調査会社GfKによれば、同国の携帯電話市場のシェアを金額ベースでみると、サムスンのギャラクシーJ2とJ5、J7の3機種だけで、全体の20%を占有している。
サムスンはまた、先ごろ「Sバイク」モードという新機能を導入。インドでは二輪自動車を利用する人が多いことから、電話をかけてきた相手に対し、運転中で応答できないことを通知してくれるサービスだ。
インドのネット通販大手フリップカート(Flipkart)のサイトで携帯電話の値段を確認してみると、アンドロイド搭載のサムスンのスマートフォンは、最安値が「ギャラクシー スタープロ」の約81ドル(約8,843円)。最も高価な機種は、約960ドル(約10万4,800円)の「ギャラクシー ノート5」だ。
一方、同サイトで販売されている最も安価なアップルのスマホは、284ドル(約3万1,000円)の「iPhone 4s」。最高値は「6S Plus」の1,212 ドル(約13万2,300円)だ。
比較は意味がない
インドの人たちは階級意識が非常に強く、身分にこだわる。富裕層が自分の家の使用人や運転手、ココナツジュースを売る露天商と同じ携帯電話を使うことがあるだろうか?──ありそうもないことだ。そして、この点にこそ、アップルとサムスンの大きな違いがある。
どこかの家のお手伝いさんや運転手、露天商がサムスンの携帯電話を手に歩いている様子を目にすることは、珍しくない。だが、こうした人たちがアップルのスマホを持っているところは見たことがない。
つまり、アップルがサムスンに比べてインドで苦戦していると書いている記者たちはきっと、インドに行ったことがないのだろう。あると主張する人がいたとしても、タージ・マハルまで往復したくらいで、ほかは大してどこも見ていないのだろう。
地元のアナリストやライターたちは、あるいはインドが階級社会であることを熟知している人たちは、両社の現状についても、よりよく理解しているに違いない。