「華やかなウイングやランジェリーをまとった美しい女性たちが、一流のミュージシャンとコラボするヴィクトリアズ・シークレットのショーは、非常に重要な意味をもちます」と同社CEOのシャレン・ターニー氏は言う。
身近なショッピングモールで購入可能な下着を、スーパーモデルらが着用する華やかなショーは、同社のマーケティング戦略の柱だ。マンハッタンのレキシントンアベニュー・アーモリーで先月録画されたショーは、1時間のスペシャル番組に編集された。
「他の下着メーカーと同じやり方では製品に付加価値を与えることはできません。彼らはこの製品を身に付けることでライフスタイルが変わるという提案を行っているのです」と、米モーニングスター社のブリジット・ワイシャール氏は語る。
SNSで驚異的なフォロワー数を誇る、人気モデルのジジ・ハディッドやケンダル・ジェンナー、さらにセレーナ・ゴメスなどのポップアーティストを起用することで、ヴィクトリアズ社は若い世代を惹き付け、ミレニアル世代に強力にアピールしている。
2011年時点のショーの経費は約1,200万ドル(約14億5000万円)。一般的なファッションショーの経費の約10倍にも匹敵する。同社のターニーCEOは言う。「当社がショーに使った経費は、5倍以上になって戻ってきます。採算は充分にとれています」
同社がショーに注いだ経費は、CBSテレビの放映権料としても還元される。ニールセンによると、昨年は910万人を超える人々が同社のショーを視聴し、30秒のCM広告には20万ドルもの値がついた。
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