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Andrey Burmakin / Shutterstock

苦境に陥っている人事管理サービスのスタートアップ、Zenefitsの状況がますます悪化している。
新CEOのデビッド・サックスは2月26日、社内メールで全社員の17%に当たる250名を解雇することを発表した。対象となるのはほとんどが営業部門で、大企業専門の営業チームは廃止するという。

サックスはメールの中で、「私のこれまでのキャリアの中でもっとも困難な決断であり、多くの優秀な人材を解雇することは残念だ。全ては会社の責任だ」と述べている。サックスはまた、「Zenefitsは急速に成長し過ぎたことで、企業文化や事業のコントロールを失った。今回のリストラを機に会社の理念と戦略を見直し、顧客にとってもメリットのある形で成長を図っていく」としている。

Zenefitsの共同創業者であるパーカー・コンラッドは、コンプライアンスに抵触する行為が明らかになり、今月初めに退任している。コンラッドはコンプライアンスよりも会社の成長を優先させ、必要な免許を持たない社員に健康保険の営業をさせたり、カリフォルニア州で保険の営業人員に義務付けられているオンライントレーニングを受講したように見せかけるソフトウェアを開発するなどしてきた。また、社員がオフィスで酒を飲んだり、非常階段で使用済みコンドームが発見されて問題化したことをウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えていた。

Zenefitsは事業の成長スピードにも陰りが見え始めている。昨年は売上高が2,000万ドルから6,000万ドルへ3倍に増えたものの、目標としていた1億ドルには遠く及ばず、株主である投資信託のフィデリティは、Zenefitsの投資価値を48%引き下げている。

一連の問題が噴出する前、Zenefitsはシリコンバレーを代表するユニコーンと称され、ピーク時には45億ドルの評価額で5億ドルを調達している。同社は人事管理サービスをSaaSで無料提供し、「史上最速で成長しているソフトウェアサービス」と宣伝して全米の中小企業に営業していた。主な収益源は、顧客がZenefitsのソフトウェアを利用して健康保険を購入した際に、保険会社から支払われる紹介手数料だ。

Zenefitsは、大企業の顧客を増やすために機能の拡張を図ってきたが、苦戦していることが伝えられていた。同社は、今回の人員削減によって固定費の圧縮を図ると同時に、コア事業である中小企業向けサービスに専念したいとしている。

編集=上田裕資

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