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2015.12.23

世界10大テロ組織、資金力ランキング 首位イスラム国は年20億ドル

Anadolu Agency / shutterstock

11月13日のパリの同時テロ発生以降、世界各地でさらなるテロ事件の発生が懸念されていてる。12月4日に米カリフォルニア州の福祉施設で14人が死亡した銃乱射事件でも、FBIは容疑者がイスラム国(ISIS)に忠誠を誓っていた人物だと断定。捜査を進めていることを明らかにした。

イスラム国は年間約20億ドルの資金を得ているとされるが、他のテロ集団はどの程度の資金力を持っているのか。ここでは世界のテロ集団の勢力を資金力順にランクづけを行った。

1. イスラム国(ISIS):20億ドル
ISISは史上最も資金力のあるテロリスト組織。年間収入は20億ドル(2,466億円)、アナリストによっては30億ドルと見積もっている。

主要資金源:石油販売、誘拐、人質、警備費、税金、銀行強盗、略奪など。
最終目的:イラク、シリア、ヨルダン、レバノン、パレスチナにわたる「イスラム国」の樹立と、域内および十字軍(キリスト教徒)、ユダヤ教徒に対する聖戦。

2. ハマス:10億ドル
ハマスは軍事クーデターで2007年、パレスチナのガザ地区を占領、10年足らずの間で強大な組織となった。ヨルダン川西岸にも拠点がある。
 
主要資金源:税金、手数料、資金援助と寄付(主にカタールから)。
最終目的:武装闘争によるイスラム国家の樹立

3. FARC:6億ドル
FARC(コロンビア革命軍)はマルクス主義、反帝国主義の活動家地下組織で、50年以上にわたって南米、コロンビアを荒廃させ、激しい武力闘争を主導している。

主要資金源:麻薬製造・販売、誘拐と人質、金を中心とした鉱山経営、手数料と税金
最終目的:資本主義体制の転覆とマルクス主義に基づく社会主義福祉国家の建設
 
4. ヒズボラ:5億ドル
レバノンシーア派の反イスラエル民兵組織で、ハマスと同様、強力な政治部門を持つ主要勢力の一つとなっている。ヒズボラは避難所、福祉、教育などをシーア派住民に提供するシステムを整えている。

主要資金源:資金援助と寄付(主にイラン)、麻薬の製造・販売
最終目的:イスラエルに対する武力闘争とレバノンでのイスラム国家建設。

5. タリバン:4億ドル
タリバンは1996年から2001年までアフガニスタンを支配していた軍事・政治運動で、スンニ派のイスラム法を採用していた。

主要資金源:麻薬販売(主にアヘンとヘロイン)、後援費と税金、資金援助と寄付
最終目的:アフガニスタンでの神権国家の建設

6. アルカイダ:1億5,000万ドル
アルカイダは最も凶悪なテロリスト組織で、西欧社会のイスラムに対する姿勢に深刻な変化をもたらした。

主要資金源:資金援助、寄付、誘拐、人質、麻薬密売。
最終目的:キリスト教徒とユダヤ教徒に対する聖戦、西側世俗勢力に対抗する統一イスラム戦線の形成。

7. ラシュカレトイバ:1億ドル
ラシュカレトイバは「正義の軍隊」の意味で、パキスタンの過激イスラムテロ組織。南西アジアで最も強力なグループのひとつとされている。

主要資金源:資金援助と寄付
最終目的:インド・カシミール地方の解放と、イスラム原理主義に基づくパキスタン・カシミール地方との併合

8. アル・シャバブ:7,000万ドル
2006年に設立されたソマリア最大の民兵組織で、東アフリカのケニヤ、ウガンダにも勢力を拡大中。

主要資金源:誘拐、人質、不法取引、海賊行為、後援費と税金
最終目標:ソマリアからの外国人勢力の駆逐とイスラム、カリフ制国の樹立

9. 真のIRA:5,000万ドル
「真のIRA」はIRA(アイルランド共和軍)過激派の分派組織で、1998年に調印の平和合意に反対する活動家によって設立された。この分派は英国に対する最も強い抵抗組織とみなされ、EUや米国からはテロリストと定義されている。

主要資金源:密輸、不正取引、援助、寄付
最終目的:北アイルランドの解放と統一アイルランド国家の樹立。

10. ボコ・ハラム:2,500万ドル
ボコ・ハラムは「西側教育は罪」という意味。イスラムの教義に反するとして、西側の価値観に基づいた教育に反対。西アフリカのナイジェリア、カメルーンで勢力を広げている。

主要資金源:誘拐、人質、手数料、税金 保護費、銀行強盗、略奪
最終目的:世俗主義と西側の影響力との闘い、ナイジェリアでのキリスト教世俗主義政権の転覆と、イスラム法に基づく国家の建設。

編集=加藤雅之

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