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I cover the art of family finance and becoming a more savvy consumer.

Alena Ozerova / shutterstock

2010年、シカゴで美術修復士として働いていたアンドレア・ニューベリー(35)は業界の落ち込みにより仕事を見つけることが難しくなってしまった。ちょうどその時、第1子が妊娠5ヶ月目に入っていたこともあり、専業主婦になることを選んだ。

産後鬱の体に鞭を打ち、お昼寝をさせて、オムツを替えて、赤ちゃんマグで飲み物を飲ませる毎日を送っている内に・・・第二子も誕生。目の回るような忙しい生活の中で、母乳育児をするにあたり、これまでの自分らしい都会的ファッションを続けられる洋服がないことに気付いた。「母乳育児用の授乳服のデザインは本当にダサくてかっこ悪いものばかりだったのです」とニューベリーが語る。「子どもを産んで全く違う人生になってしまったように感じる中で、母乳育児をしやすくするためだけに、自分のスタイルまで曲げなければいけないことが腹立たしくてたまりませんでした」

トレンド感のある授乳服が見つからずに困っているのは自分だけではないはず。ニューベリーの予想は当たる。フェイスブックにアンケートを投稿してみたところ、ものの数日で全米から500以上の回答があったのだ。「アメリカ中の女性が街中での授乳に苦労していて、子育てに必要な行為をしているだけなのに、ハラスメントを受けていることがわかりました」とニューベリーは語る。「おしゃれな授乳服が無いことがこの問題と直結している、ということに皆同意してくれました。そこで私はこの問題を解決したいと思ったのです。女性をかっこよく見せながら、私たちの個人としての権利を侵害するような文化的な抑圧をはね返す力になる服を作りたいと思ったのです」

そして今年、ニューベリーの会社LecheLibre.comが誕生した。まずは個人資金を5,000ドル投入して、初期のデザインを開発、Leche Libreというブランドを立ち上げた。そして昨年オンラインブティックをスタートさせた。当初2週間の先行販売で売り上げた1,200ドル(約14.5万円)を使ってシカゴで生産を発注、2015年春には納品も済み、販売の準備が整った。その後も今のところは、売上の中から追加で発注する製造コストを捻出することに成功している。最初の生産ロットを売り切ってから、次の商品を仕入れ、次にサイズ展開も広げてきた。

会社も立ち上げたところで、今後もうあと5つから7つの新規デザインを投入する予定だ。本格生産を始めるために、来夏にはクラウドファンディングプラットフォームのKickstarterを利用したキャンペーンを行い、40,000ドル(約490万円)の資金を調達する予定だ。そうすれば実店舗に商品を流通させることができるようになる。ニューベリーは「2015年はとにかく実験とテストの年でした。2016年は生産と拡大の年にしたいと思っています」と話した。

ニューベリーを成功に導いたポイントを紹介しよう。

仕事のポイントを一から勉強した
ニューベリーはファッション業界について全く知識がなかった。その状態から縫製を学び、無名の才能あるファッションデザイナーを発掘する人気テレビ番組Project Runwayを見て事業のヒントを得た。そして、試行錯誤を繰り返す中で、間違いから学んでいった。

小さく始めた
最初はファッションビジネスに参入するのであれば、フルラインナップを揃えたコレクションが必要だと思っていました。しかし、今すぐに、女性たちが必要としているものを届けたい、という強い思いがあったのです」とニューベリーは言う。「そこで一番よいと思った2つのデザインでまずはブランドを立ち上げ、そこから、事業の拡大に合わせてラインナップも充実させることにしました。直接的な決断としては、まずはオンラインブティックを立ち上げてから、ゆくゆくは実店舗に納入できるように育てていくことに決めました」

信頼性のある確固たるブランドを開発した
ニューベリーは「今は情報があふれています。ネットの世界ではなおさらです。ですから、人目を惹き付けるにはしっかりとしたアイデンティティを確立する必要があります」と言う。また、ブランドに強いメッセージ性があったことが、ソーシャルメディアでの成功につながったとしている。

ミッションを見失わなかった
「母親としての女性を応援するだけでなく、女性の身体全般を(性の)対象化することへの反対として、公の場で授乳することを普通にしたいと強く思っています。もし、公の場での授乳を阻む文化的な壁を崩すことができれば、女性の誰もが自分の体を自分だけのものとして取り戻すことができると思うのです。この強い想いが、全く経験の無い領域で事業を始める恐怖や不安に打ち勝つ原動力になりました」

自分の自尊心を切り離した
「事業を始めるにあたって、自分自身の価値をビジネスとは全く別の場所に構築し直すことが大きな課題でした。ビジネスの中で発生する問題を自分個人の問題と捉えてしまいがちですが、成功したければきっちりと切り離す必要があるのです」。

狙っているマーケットを理解して、変化した
ニューベリーは、当初の計画通りに全てが進まないことに気付いた。「当初は全ての服をオーガニック素材で作っていました。しかしそうすると私がターゲットとしている人たちの予算と合わなくなってしまうことがわかりました」。
仕入済の生地を抱えていたこともあり、オーガニック素材の商品は利幅を小さくすることにより、販売価格を抑えて売り切った。来年からはインドのフェアトレードの会社の生地を使用する予定だ。「私のゴールはLecheLibreをなるべく多くの人に手の届くブランドにすることです。自分の最初の目的を見失わないために、ビジネスプランを構築し直すことになりました。こうした柔軟性を持ち、間違うことや変化することを恐れないことが、最初は特に大切です」

現実を受け入れた
子育てを一手に引き受けていることにより、フルタイムでビジネスに取り組む人に比べるとゆっくりしたペースで進めることになった。「ワーカホリック」になりそうになる中、家庭と仕事のバランスに苦慮することもあったが、今では3歳と5歳になった子どもたちと、「ずる休み」をして遊んでしまう日もある。 「子どもたちがいなければ、このビジネスも生まれていませんでしたし、自分が求めていた人生を手に入れることもできませんでした。ですから、全部ひっくるめて私の人生なのです」

ニューベリーからアントレプレナーたちへ、最後にもう一つアドバイスがある。とにかくやり抜くこと、そして絶対に恐怖心による決断をしないこと、である。「やりたいことがあれば、チャレンジすべきです。様々な理由による恐怖心や問題が乗り越えられない気がして、Leche Libreの立ち上げを断念しそうになったことが何度もありました。しかし、最終的には恐怖心に屈することなく、やり抜くぞ、と思うことで自分を曲げずに進みました」とニューベリーは言う。

「いつも自分が目標とすることだけを見つめています。どうすれば達成できるのか、必ずしもわかっているわけではありませんが、一歩一歩前進することによって、いつも道は開けてきました。自分の心の中を見つめ、不確実な状態の中で自分の価値観をぶれずに持ち続けるのは勇気のいることです。しかし、そうすれば絶対に後悔しません」

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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