Official Columnist

加藤 年紀

公務員イノベーター列伝

株式会社ネクスト(※現 株式会社LIFULLに新卒入社し、2012年5月に同社インドネシア子会社「PT.LIFULL MEDIA INDONESIA」の最高執行責任者(COO)/取締役として日本から一人で出向。子会社の立ち上げを行い、以降4年半の間ジャカルタに駐在。 同社在籍中の2016年7月に、地方自治体を応援するメディア『Heroes of Local Government(holg.jp)』を個人としてリリース。
2016年9月に同社退社後、2016年11月に株式会社ホルグを設立。『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード』を主宰。ニュースイッチ by 日刊工業新聞、ファシリテーター。

  • ふるさと納税の岐路「お得で釣った人は、また別のお得に釣られる」

    ふるさと納税が岐路に立っている。これまで一部の自治体が高額な返礼品を呼び水に、多額の寄付金を集めてきた。いわゆる「返礼品競争」が一段と激しくなり、不公平感を訴える声も多く上がってきていた。政府は9月11日、これを規制するため、返礼品は地場産品に限り、金額も寄付金の30%以下とすることを法制化して、違 ...

  • 公務員が選ぶ「すごい地方公務員」12人、キーワードは官民連携

    全国の地方公務員が推薦し、「スーパー公務員」と呼ばれる精鋭が審査する、“すごい地方公務員”を表彰する賞があるのをご存知ただろうか? 昨年始まった「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2018」(Heroes of Local Government主催)がそれだ。 ...

  • 就任直後に謝罪会見 奈良市長が10年かけた「不正防止の仕組み化」

    日本広しと言えども、就任後初めての記者会見が、謝罪会見だったという市長はなかなかいないだろう。2009年に奈良市長選挙で勝利し、現在もその職を務める仲川げんは、壮絶な市政運営を経験している。就任直後、仲川が謝罪したのは、奈良市職員の横領についてだったが、それ以前から市役所は多くの問題を抱えていた。前 ...

  • 視察が続々、「高齢者福祉の先進地」 奈良県生駒市の立役者

    介護予防の先進地として、平成29年度に全国から約200人の視察があった奈良県生駒市。短期間で集中的にリハビリなどの支援を行うことで、高齢者が活力を取り戻し、その後、何年も元気に暮らす事例も多く見られる。生駒市の高齢者福祉を牽引したのは、1995年に保健師として入庁し、現在、福祉健康部次長を務める田中 ...

  • 熊本地震で培われた公務員の志と「ひそかな野望」

    2016年4月16日未明、熊本地震の本震といわれるマグニチュード7.3の地震が発生した。熊本県菊池市役所に勤める野中英樹は、あまりの揺れの大きさに、生まれて初めて「死」が脳裏をよぎった。いまでも思い返すだけで身震いしてしまうという。2日前の4月14日の前震でもマグニチュード6.5が観測され、菊池市役 ...

  • 「行政に興味のない市民に損をさせない」 和光市長が選ぶ道

    普通交付税とは、自治体間の財政不均衡を是正するため、国が地方自治体に配分するものだ。昨年、普通交付税を受けていない地方自治体は、全国1718市町村のうち、わずか75団体。そのなかのひとつに埼玉県の和光市がある。普通交付税を受けていないということは、すなわち財政的に健全で、自立した行政運営を行う地方自 ...

  • 入庁31年、女性の味方の「女性課長」が目指す先

    「ほんとうは3人いるのでは?」と疑惑が出るほど、行動力に溢れ、神出鬼没な村川美詠(むらかわみえ)、現在、長崎県諫早(いさはや)市役所の障害福祉課で課長を務めている。諫早市に生まれ育った村川は、1986年に大学を卒業し、諫早市役所に就職。当時、女性が結婚をしても続けられる仕事は、教員か自治体職員などの ...

  • 大手百貨店から転職した「日本一負けず嫌いな自治体職員」

    「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2017」を受賞した、奈良県生駒市職員の大垣弥生の紹介文の一節には、「日本一負けず嫌いな自治体職員」と書かれていた。大手百貨店に10年勤めた後、2008年に生駒市役所へ転職した大垣は、前職のキャリアを生かし、広報業務の改革を進めた。この間、生駒市は ...

  • 若手職員でも活躍できる 公務員の名刺は「魔法のカード」 

    現在、弘前市役所で6年目を迎える佐々木絵理は、入庁2年目に市民協働政策課に配属され、自治会の支援に携わった。自治会の果たす役割は、除雪、防災、福祉、公園やゴミ置き場の管理、側溝や河川の清掃など多岐にわたる。しかし、現在、全国的に自治会への加入者は減少し、一方では地域の高齢化や過疎化も進み、住民同士の ...

  • 借金600億円を返済した千葉市長の「NO」と言える行政

    2017年5月に行われた千葉市長選で、過去最高の18万2081票を獲得し、81.3%という圧倒的な得票率で、3期目の当選となった熊谷俊人市長。同じく2017年に行われた衆議院選挙において、全国289の選挙区のなかで熊谷市長を超える得票率を獲得したのはわずかに2人。現防衛大臣の小野寺五典氏(宮城6区 ...

  • 中野区を「電子決裁率日本一」にしたスーパー公務員の新たな船出

    ともすれば「お役所仕事」などと揶揄される行政の世界で、さまざまな業務改善を進めた男がいる。議員給与、文書管理、財務会計、電子決裁をはじめ、中野区役所の一般職員が使う約8割のシステム導入に携わったのが、元中野区役所職員の酒井直人だ。1996年から中野区役所に勤め、在職時には、中野区が全国の地方自治体の ...

  • 市民と公務員をつなぐ福岡市職員 カギは「対話力」

    「役所は良い子ちゃんばかりじゃない」。現役の地方公務員がこの言葉を発したのはとても新鮮に思えた。言葉の主は、1991年に福岡市役所へ入庁し、47歳から部長職を務める出世頭、今村寛だ。今村の名を全国の自治体に知らしめた活動がある。市の予算をまとめる役割を担う財政課時代に実施した「財政出前講座」だ。4年 ...

  • 踊る副市長、豚とカンパチを「住民の誇り」へ

    地域の資源を活かした地域活性化のお手本のような事例がある。2014年に農林水産省から鹿児島県鹿屋(かのや)市に出向し、2年9か月の間、副市長を務めた福井逸人がその立役者だ。福井はかつて、「人は10万人、豚は24万頭、カンパチは100万尾」と鹿屋市を紹介していた。農水省に勤める福井からすると、日本屈指 ...

  • 「敷居は低く、志は高く」 東北から広がる公務員ネットワーク

    山形市役所の職員である後藤好邦は、2009年6月、二人の自治体職員とともに「東北まちづくりオフサイトミーティング(以下、東北OM)」を立ち上げた。東北OMは「敷居は低く、されど志は高く」というコンセプトを掲げ、地域づくりやまちづくりに資する人財育成を目指し、年に5回ほど勉強会などのイベントを開催。お ...

  • 大手監査法人から市役所へ、公認会計士が挑む「課題解決」

    給料を3分の2に減らしてまで、自分がやりたい仕事を選ぶ人間はそう多くないだろう。大手監査法人から和光市役所へ、3年間の任期付き職員として転職した山本享兵はその一人である。山本は前職で公認会計士として、主に官公庁に関わる仕事をしていた。経験した業務は公益法人や独立行政法人の会計監査から、行政計画の策定 ...

  • 滞納はSOS 「最強の地方公務員」から学ぶ市民相談の極意

    「ヤミ金」とは、貸金業者としての登録がない者が金を貸し、法外な金利を要求したり、違法な取立てをしたりする行為、あるいはその業者を指す。2000年前後に「ヤミ金」関連のトラブルは多発し、社会問題となった。生水裕美は1999年、消費者からの苦情や相談を受ける消費者相談員(非常勤嘱託職員)として野洲(やす ...

  • 年功序列を廃止した「唯一の地方自治体」 箕面市市長の決断力

    公務員の給与制度といえば“年功序列”と思い浮かべる人は多いだろう。事実、そのイメージは間違っていない。多くの公務員の給与制度は、“年功序列”という不文律のようなものに支えられて今に至っているのが現実である。その制度を変えた唯一の男がいる。大阪府箕面市の ...

  • なぜ今、「公務員=カッコいい」が必要なのか

    あなたの周りに「カッコいい公務員」と聞いてイメージ出来る人はいるだろうか。「カッコいい」と「公務員」というふたつの言葉の親和性はどことなく低い、というのが大方の意見ではないだろうか。そんな中、「公務員がカッコいい」と思われる世の中を創りたいと声を大にするのが、総務省から神奈川県庁に出向している脇雅昭 ...

  • 全国の水道事業体、「9割が黒字」というフェイク

    日本は全国津々浦々、世界トップレベルの水質基準の水が蛇口から直接飲めるという、世界でも類まれな国だ。しかも、1リットルの水を約0.1〜0.4円程度の廉価な利用料で使うことができる。物価の安い東南アジアですら、500mlの飲用水ペットボトルが20円から30円程度の価格であることを考えると、驚異的なレベ ...

  • LGBTのためにパートナーシップ制度より進めるべきこと

    LGBTに関する複数の調査から、日本のLGBT当事者の比率は7〜8%と言われている。これは、左利きやAB型の割合と同じである。LGBTを取り巻く環境は、少しずつではあるが変わりつつある。東京都渋谷区では2015年3月、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が議会で可決された。この条 ...