「すごい地方公務員アワード」 今年受賞した9名は何を実現したか

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「お役所仕事」「税金泥棒」など、ともするとお堅く融通が効かないイメージを持たれがちな公務員たち。しかし日本には、人知れず大きな成果をあげ、住民の生活に貢献している公務員が多く存在する。

「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」をご存知だろうか。2017年から毎年開催され今年で6度目、これまで69名の地方公務員が選ばれたアワードだ。

今年は全国から9名の地方公務員が受賞。協賛・後援団体には、電通やヤフー、NECソリューションイノベータ、Jリーグなどの民間団体が参加した。

今年の受賞者は、変化を起こすことが難しい役所の仕事を効率的・効果的に改善したり、住民と建設的な関係を築き役所の仕事につなげたり、そうした取り組みに注目が集まった。ほんの一端ではあるが、今回受賞した9人のすごい公務員たちを紹介しよう。

業務の質向上へのあくなき探求心


まず前半の5人は、「業務改善」という観点からの受賞者だ。

最初に紹介するのは、豊田市(愛知県)の廣濱学。「障がい者への給付事務」「コロナワクチン接種」「コロナ疫学調査のペーパーレス&システム化」など、1万時間以上の労働時間削減に成功した。トヨタ社への出向経験もあり、日々、役所内で改善の機運を高めている。


NECソリューションイノベータ賞を受賞した廣濱学。「改善から改革にまで発展させた」と評された

同じく、コロナ禍で力を発揮したのが大野城市(福岡県)の田中雄大だ。国の住民税非課税世帯向け給付金を、事業開始後約3週間で8割の対象世帯に給付完了。これは福岡県で最も早く、生活に困窮している可能性の高い受給者に寄りそう仕事ぶりを見せた。


ジチタイワークス賞を受賞した田中雄大。実行力、判断力、熱量が評価された

別の市役所から転職し、3年弱で大きな成果をあげたのは北本市(埼玉県)の荒井菜彩季だ。

ふるさと納税・シティプロモーション担当として奔走し、寄附額が2年連続埼玉県内1位を獲得。また、市民と一緒にマルシェを創り上げていく企画をメインで担当し、その取り組みが全国広報コンクール内閣総理大臣賞を受賞した。


2021年受賞の林博司(左)と今回受賞した荒井菜彩季(右)。地域でも愛される

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文=加藤 年紀

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