CONTRIBUTOR

田坂 広志

.

東京大学卒業。工学博士。米国バテル記念研究所研究員、日本総合研究所取締役を経て、現在、多摩大学大学院教授。世界経済フォーラム(ダボス会議)GACメンバー。世界賢人会議Club of Budapest日本代表。tasaka@hiroshitasaka.jp

  • 潜在意識のマネジメント[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    心理学の世界に、「サブリミナル効果」という言葉がある。例えば、映画館において上映される映像に、観客の表層意識では気がつかない閾値下(サブリミナル)のレベルで、ほんの一瞬、しかし、繰り返し、「コークを飲め」「ポップコーンを食べろ」という文字を挿入しておくと、映画を見終わった後、多くの観客が、無意識に、 ...

  • 「共生」という思想を超えて[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    1977年にノーベル化学賞を受賞した、イリヤ・プリゴジン博士が、かつて、その著作の中で、次の言葉を述べている。我々人間は、自然から生まれて、なお、自然の一部である。この思想は、21世紀において、極めて重要な思想となっていくだろう。なぜなら、我々は、永く続いた欧米文化の影響で、「自然」と「人工」という ...

  • 「美しさ」という基準[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    1987年、映画『アンタッチャブル』で、アカデミー賞・助演男優賞を受賞した俳優、ショーン・コネリーが、かつて、その人生の転機において、次の言葉を語っている。「決められた道を歩むことは、美しくない」これは、大ヒットしたアクション映画、「007シリーズ」のヒーロー、ジェームズ・ボンド役を降り、一人の演技 ...

  • 人生で起こること、すべて良きこと[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    ある男性が、海外出張のとき、自動車を運転していて、一瞬の不注意から、瀕死の重傷を負う事故に遭った。そして、運び込まれた現地の病院での大手術によって、その男性は、九死に一生を得たが、残念ながら、左足を切断する結果になってしまった。意識が回復し、左足を失ったことを知ったその男性は、一瞬のミスによって迎え ...

  • 「成功者」の不思議な偶然[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    人生において優れた仕事を成し遂げ、世の中から「成功者」と呼ばれる政治家や経営者、学者や文化人について、興味深い調査結果が報告されている。その調査とは、これら「人生の成功者」が書いた自叙伝や回想録を読み、その中で、最も良く使われている言葉、最も多く出てくる言葉を調べたものであるが、その結果は、全く意外 ...

  • 才能の開花を妨げる「迷信」[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    世の中に、自分の才能を開花させたいと願う人は多いが、その願い通り、自分の中に眠る才能を開花させる人は少ない。それは、なぜであろうか。その一つの理由を教えてくれる、興味深いエピソードがある。何年か前、あるテレビ番組で、世界的なチェロ奏者、ミッシャ・マイスキーが、子供たちに音楽を教えていた。そして、その ...

  • 「明日、死ぬ」という修行[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    経営の世界において、昔から語られてきた一つの格言がある。経営者として大成するには、三つの体験の、いずれかを持たねばならぬ。戦争か、大病か、投獄か。ここで投獄とは、文学者・小林多喜二が思想犯として逮捕され、拷問で獄死するような時代の投獄のことであり、この三つの体験は、いずれも「生死の体験」を意味してい ...

  • 言葉に「言霊」が宿るとき[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    英国で、再び女性首相が誕生したが、19年前に聴いた、サッチャー元首相の講演を想い出す。1997年、中国への香港返還行事の後、元首相の立場で来日したサッチャー女史の講演を聴いた。しかし、その講演で印象深かったのは、講演の内容以上に、講演の後の聴衆との質疑応答であった。質疑の冒頭、ある経営者が、次の質問 ...

  • なぜ、古典を読んでも人間力が身につかないのか

    古典を読んでも、なぜ、人間力が身につかないのか?ときおり、経営者から、その質問を受けるが、その理由を、一つの視点から語っておこう。かつて、ある雑誌の編集長が、永年の実績のある優れた経営者に、「経営の要諦」を聞いた。すると、その経営者は、短く、一言を語った。「社員を愛することです」一方、ある雑誌の記者 ...

  • 「深層対話力」を磨くと、自然に身につく「人間関係力」[『仕事の技法』著者インタビュー 最終回]

    本誌「Forbes JAPAN」の人気連載「深き思索、静かな気づき」の田坂広志氏が、『仕事の技法』(講談社現代新書)『人間を磨く』(光文社新書)を立て続けに上梓。今回は『深層対話力』の先にある、さらに広い世界について語ってもらった(過去記事はこちら;第1回、第2回)。Q:この『仕事の技法』では、「言 ...

  • 会議と商談の後の5分が、才能開花の分かれ道[『仕事の技法』著者インタビュー 第2回]

    本誌「Forbes JAPAN」の人気連載「深き思索、静かな気づき」の田坂広志氏が、『仕事の技法』(講談社現代新書)『人間を磨く』(光文社新書)を立て続けに上梓。今回は『仕事の技法』の中でも最も効果的な技法について、具体的に語ってもらった(第1回記事はこちら)。Q:『仕事の技法』では、「走馬灯リーデ ...

  • 相手のメッセージの8割は、聞き逃している[『仕事の技法』著者インタビュー 第1回]

    本誌「Forbes JAPAN」の人気連載「深き思索、静かな気づき」の田坂広志氏が、『仕事の技法』(講談社現代新書)『人間を磨く』(光文社新書)を立て続けに上梓。今回は特別に『仕事の技法』の鍵といえる「深層対話力」を中心に語ってもらった。Q1. この『仕事の技法』という著書は、仕事においては、「言葉 ...

  • 「不動心」の真の意味[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    かつて、人間の「不動心」について、興味深い心理学実験が行われた。一人は、最近、座禅の修行を始めたばかりの若者。もう一人は、永年、禅寺での修行を積んだ禅師。その二人に、座禅中の脳波の測定実験を行ったのである。最初、二人同時に、座禅による瞑想状態に入ってもらい、その脳波をそれぞれ測定したところ、二人の脳 ...

  • 企業情報化の「理」[田坂広志の深き思索、静かな気づき]

    プロ野球・ヤクルトの監督時代に、「データ重視の野球=ID野球」を掲げてペナントを制し、西武とのシリーズで日本一に輝いた野村克也氏が、後日、テレビの番組に出演したとき、語った言葉が、心に残っている。「監督、ヤクルト優勝の勝因は?」インタビュアーから、そう聞かれ、野村監督は、こう答えた。「いま、野球が荒 ...

  • 「創造性」をめざす過ち [田坂広志の「深き思索、静かな気づき」]

    昔ある喫茶店で、二人の学生が、熱心に議論をしていた。二人は、美術大学で絵を専攻している学生のようであったが、耳に入ってくる二人の議論は、「いかにして創造性を身につけるか」というものであった。一人は、創造性に優れた作品を数多く鑑賞することの大切さを語っていた。一人は、無垢の心で自然に触れ、感じる力を磨 ...